NTTドコモ・ベンチャーズ(以下、NDV)は、同社が運用するファンドを通じて、商用の電気自動車(EV)を提供するEVモーターズ・ジャパン(以下、EVM-J社)に出資を実施したと発表した。
温室効果ガス排出量を削減する「脱炭素化」の動きが世界的に加速する中、自動車業界においては、各国でガソリン・ディーゼル車販売禁止の方針が打ち出され、EVへの移行が進んでいる。しかし、EVバスの導入に際しては、航続距離やコストメリットの確保などの課題があったという。
EVM-J社は、商用EV(バス・トラック・トライク等)に特化した開発・製造・販売を行っており、現在はEVバスを主力製品として展開。独自のモーター制御技術である「アクティブ・インバータ」により、加減速時に発生する無駄な電力消費と発熱を抑制し、電費性能を向上。これにより、他社製品と比較して少ない電池容量で同等以上の航続距離を確保するとともに、車両本体と運用にかかるトータルコストを抑えた実運用に耐えうるEVバスを実現。
EVM-J社のEVバスは、すでに那覇バス、伊予鉄バス、港区「ちぃバス」、渋谷区「ハチ公バス」などで運用開始しており、累計の受注台数は120台を超えているとのことだ。(2023年3月現在)
将来的には、商用EVをコアに、リユースバッテリー・ソーラー発電システム・燃料電池・充電インフラを含めた5つの柱をベースにエネルギーマネジメントの一端を担い、ゼロエミッション社会の実現を目指すとしている。
日本の商用EVの先駆者として、NTTドコモおよびNTTグループのモビリティビジネスとの親和性が高く、将来的な展望が期待できることから、今回の出資に至ったとのことだ。同出資を通じて、今後NTTドコモおよびNTTグループとのサービス・ソリューションでの連携検討を加速させ、新たな価値創造に向けた取り組みを進めていくとのことだ。