朝日大学の附属研究機関である朝日大学マーティング研究所は、スマホでのキャッシュレス決済の利用について調査を行い、結果を公表した。

調査の結果、スマホ利用者のほとんどが設定や操作に困っても自分で対処しようとして、その結果、スマホへのキャッシュレス決済アプリの導入ができずにいるユーザーがいることが判明している。

「スマホでのキャッシュレス決済の利用に関する調査 利用層と非利用層の比較編」の主な結果

■スマホ保有層の約8割がスマホでキャッシュレス決済を利用
スマホ保有者のうち、78.0%がスマホでキャッシュレス決済を利用(=利用層)しており、22.0%は非利用層であることがわかった。

スマホの設定や操作に関して上記の利用層と非利用層を比べると、自分で「ほとんどできる」と回答したのは、利用層では88.8%であったが、非利用層では68.2%にとどまっている。利用層に比べて非利用層には、スマホの設定や操作が得意でない人が多く、そのことがスマホへのキャッシュレス決済アプリの導入を妨げる一因となっている。

キャッシュレス決済を利用しているか

■スマホ利用者のほとんどが設定や操作に困っても自分で対照しようとする
スマホの設定や操作がうまくできない場合の対処法をスマホでのキャッシュレス決済の利用別でみると、利用層、非利用層とも「ネットで情報を集めて何とか自身で対処する」がトップであり、割合はそれぞれ91.7%、78.4%となった。

利用層が非利用層を3.3ポイント上回っており、自分で何とかしようとする意向は、相対的に利用層で高く、非利用層で低くなった一方、「その作業を諦める」の回答割合には利用層(1.3%)、非利用層(11.4%)と大差がみられる。

スマホでの設定や操作がうまくできない場合、非利用層にはその作業自体を諦めてしまう人が多いことがわかった。

スマホの設定や操作がうまくできない場合の対処法

■非利用層には、特にアプリの設定や使い方の習得のハードルが高い
具体的なスマホにおけるアプリの設定・操作について、スマホでのキャッシュレス決済の利用別でみると、1.インストール、2.アンインストール、3.設定、4.使い方の習得、5.機種変更で引き継ぐ、のいずれにおいても利用層の割合が非利用層の割合を上回る結果に。

特に差が大きいのは、3.設定、4.使い方の習得、5.機種変更で引き継ぐ、となった。

非利用層において「自分だけでできる」と回答したのは、5.機種変更で引き継ぐ(64.8%)が6割台、3.設定(79.5%)と4.使い方の習得(79.5%)が7割台と低く、1.インストール(88.6%)と2.アンインストール(84.1%)は8割台となっている。

何とかインストールはできても、実際に利用するために設定したり、使い方を習得したりするプロセスで、自分だけでは対処できなくなることが多いと考察している。

具体的なスマホにおけるアプリの設定・操作について

スマホへのキャッシュレス決済アプリの導入にあたっては、もともとのスマホの設定・操作の習熟度に影響を受ける一面があり、習熟度が低いために、キャッシュレス決済アプリを導入したくてもできない層が存在する。

調査の結果、約2割を占める非利用層にスマホでのキャッシュレス決済アプリの導入を促していくには、スマホの取り扱いに自信のない人にもわかりやすいマニュアルの開発や気軽に頼ることのできるサポート体制の構築が課題であることがわかったとしている。

【調査概要】
■調査期間:2023年1月17日~1月20日
■調査方法:朝日大学マーケティング研究所のパネル利用によるインターネット調査
■対象者:
居住地/首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
年代/20代・30代・40代・50代
性別/男女
■回収サンプル数:400

<参考>
朝日大学マーティング研究所『スマホでのキャッシュレス決済アプリの利用に関する調査(利用層と非利用層の比較編)