パートタイマーと専業主婦の約半数が「年収の壁がなければもっと働きたい」 「家族や周囲との協力体制」にも課題あり

コネヒトは、「年収の壁についてのアンケート」を実施し、結果を公表した。

同調査では現在扶養内、かつ今後も扶養内を希望する人の半数近くが「配偶者控除が廃止・縮小されたらもっと働きたい」と回答し、人手不足解消のためには、制度の見直しとあわせてパートナーの長時間労働の改善が急務という示唆が得られたとのことだ。

■「年収の壁」がなければもっと働くという声

現在扶養内、かつ今後も扶養内を希望する人に「配偶者控除が廃止・縮小されたらもっと働きたいか」と聞いたところ、45.7%が「働きたい」(「働きたい」「どちらかというと働きたい」の合算)と回答。

さらに現在の就業状況別にクロス集計をすると、パート・アルバイトの46.0%、専業主婦の46.9%が「働きたい」(同)という結果となった。

同社はこの結果から、「年収の壁」がなくなれば、パートタイマーが今よりも勤務時間を増やしたり正規雇用を目指したりする、あるいは専業主婦が新たに働き始めるという動きが期待できるとしている。

配偶者控除が廃止・縮小されたらもっと働きたいか

■今よりもっと働きたくても「家族や周囲との協力体制」がネックに

一方で、「年収の壁」が廃止・縮小されればただちに労働力が増えるかというと、決してそうではないという。上記の回答者たちに「扶養範囲を気にせず働くために必要なこと」を聞いたところ、約7割が「子どもの預け先の確保」「家族や周囲との協力体制」「職場の理解」が挙がった。

回答者から寄せられたコメントはいずれも特に「家族や周囲との協力体制」に課題があり、パートナーや親族からのサポートが受けられない状態にあるとのことだ。

扶養範囲を気にせず働くために必要なこと

政府は「年収の壁」制度見直しを表明しているが、同社は単に制度を見直しただけでは扶養内の人たちが希望の働き方を諦める可能性があるとしている。

パートナーの長時間労働が改善され、家族間で家事育児負担のバランスが最適化されれば、それぞれが希望する働き方が実現できて家計収入を増やすことができ、企業視点に立てば、扶養内にいた人がもっと働けるようになるため、人手不足の解消につながる。

同社は、個人の「家計収入を増やしたい」というニーズと、企業の「人手不足を解消したい」というニーズは表裏一体だとし、企業が働き方改革を推進することは人手不足解消の有効な手段といえると考察している。

■調査概要
調査期間:2023年3月11日〜3月12日
有効回答数:1,553件
調査方法:インターネット調査
調査対象:コネヒト社サービス利用者
調査機関:コネヒト株式会社
※本調査は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%とならない場合がある。

<参考>
コネヒト『年収の壁についてのアンケート

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