コニカミノルタジャパンは、大丸松坂屋百貨店大丸東京店のベーカリー部門にAI需要予測サービス「AIsee(アイシー)」を導入したことを発表した。

なお導入後、ベーカリー部門における食品ロスを前年比最大7%削減することに成功したとのことだ。

コニカミノルタジャパン「AIsee(アイシー)」

大丸東京店ではこれまでも、売場での値引き対応や販促活動の強化など、サステナビリティ活動の一環として食品ロス削減に取り組んでおり、また同時に更なる食品ロス削減の取り組みとして、「発注・製造」の工程をテクノロジーで適正化することを検討していたという。

当時の発注作業は、過去の来客数、天候、曜日、イベントや百貨店の売上目標等に応じて、各テナントのベテラン社員がこれまでの経験と勘をもとに判断する運用となっており、発注業務が属人化し、担当者の負担となっていたという。

ベテラン社員に頼っていた運用のシステム化を図ることで、高度な予測による食品ロス削減の実現と属人化の解消を目指し、2022年8月に「AIsee」を導入。

「AIsee」の導入には、特別なシステム構築や専用端末の必要が無く、PCとインターネット環境で利用できる点、運用時には必要な伴走支援が行われる点、月額50,000円からの低コストで利用できる点が評価されたとのことだ。

導入の背景

同社は、大丸東京店の食品部門の中でも4番目に食品ロスの発生が多いベーカリー部門から「AIsee」を導入。各ベーカリーテナントの定番商品かつ売上上位のアイテムに限定し、過去3か月分の日次売上実績を「AIsee」に登録し、運用を開始したという。

「AIsee」が算出した予測結果を参考数値とし、テナント担当者が発注・生産量を計画。そうすることで、新型コロナウイルスの影響による行動制限が緩和され来客数や売上が増加する予測が難しい状況でも、適切な発注・生産量を判断でき、食品ロスを前年比最大7%削減することができたとのことだ。

また、過去のデータだけでなく運用期間中の実際の発注・生産量や売上数値のデータも蓄積していくことでAIが学習。そうすることで、運用開始2か月でベテラン社員に匹敵する予測精度にまで高め、業務の属人化の解消も推進できたとしている。

大丸東京店ベーカリー部門

コニカミノルタジャパンは大丸東京店が抱える課題、要望のヒアリングを丁寧に行いながら、「AIsee」の導入から運用までを支援。

また、顧客の要望に合わせた機能拡充にも対応するなど、細やかにサポートできる点は顧客からも高い評価を得たとのことだ。