父親の育児参加意向は9割弱まで増加 一方で7割以上の母親が「日本社会で出産・育児しにくい」と実感

ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の妊娠・出産・育児事業を展開する「たまひよ」は、2022年秋に全国の乳幼児をもつ母親約1,600人と父親約400人を対象に、産前産後での父母の意識や父親の育休取得を含む育児環境や育児への関わりかたに関する調査を実施し、「たまひよ妊娠・出産白書2023」として発表した。

なお、同調査はコロナ禍の2021年にスタートし、今年で3回目の調査となる。

「たまひよ妊娠・出産白書2023」

調査結果の詳細は以下の通り。

1.子育てに対する意識

子育てを「充実していると思う」「楽しい・幸せを感じる」母親は約9割。父親も8割を超えている。

子育てに対する意識

2.日本社会における出産・育児のしやすさ/理由

母親では、一昨年・昨年から「出産・育児がしやすい社会」と思う割合が低下。母親では「あまり+全くそう思わない」が昨年から約10ポイント増加し約7割となった。父親は「あまり+全くそう思わない」が約5割で、前年と比べ大きな変化はない。

日本社会における出産・育児のしやすさ

●出産・育児がしにくいと思う理由
父母ともにトップは「経済的・金銭的な負担が大きいから」で8~9割を占める。昨年と比較して、母親は「経済的・金銭的な負担が大きいから」「将来の社会への不安が大きいから」が増加、父親では「社会の理解や支援」「職場の理解や支援」の不足が増加している。

出産・育児がしにくいと思う理由

3.男性の育児参加意向

父親自身の育児参加意向は昨年から増加し、9割弱で多数を占めている。

男性の育児参加意向

4.父親の休暇取得状況、育休非取得者/非取得の理由

父親が出産・育児のために取得した休暇日数は、「出産前後に2~3日」が約2割と最も高いものの、昨年からは減少。昨年と比べると「2週間~1カ月未満」「1カ月~3カ月未満」が増加し、育児休業制度などが徐々に浸透傾向にあることが考えられるという。

父親が出産・育児のために取得した休暇日数

父親の休暇取得状況
父親の休暇取得状況は、有給休暇を利用した人が減少し、育児休業制度を利用した人は昨年から約17ポイント増加し約4割。なお「出産や産前産後のための休みはとっていない」人も昨年からやや増加。

父親の休暇取得状況

●育休非取得者/非取得の理由
育児休業制度を利用しない理由として、「仕事の代替要員がいない」が最も高い。そのほか「職場の雰囲気が休みにくい」「職場に前例がない」「経済的な不安」なども上位にあがり、職場環境、経済的な不安が育休取得の壁となっている。

育休非取得者/非取得の理由

5.父親の育児休業制度利用促進への必要条件/要件

母親の大きな傾向は一昨年・昨年から変化なく、「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」「育休中の収入補償」が高い。「昇進や昇給などにひびかない評価制度」は昨年から減少。父親の育休制度利用促進への必要条件/要件は母親と同様の傾向。

父親の育児休業制度利用促進への必要条件/要件

【調査概要】
調査期間:2022年10月7日~28日
調査方法:WEB調査
調査対象者:
全国の生後0カ月~1才6カ月の子どもをもつ母親・父親(『たまごクラブ』『ひよこクラブ』購読経験者)
有効回答数:2,062人(母親1,649人・父親413人)
調査内容:産前産後での父母の意識や、父親の育休取得を含む育児環境や育児への関わりかた等

<参考>
ベネッセ・たまひよ『たまひよ妊娠・出産白書2023

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