KDDIがStarlinkを活用した車載・可搬型基地局を導入へ。機材の小型化により災害現場への運搬も容易に【宇宙ビジネスニュース】

3月2日、KDDIとKDDI エンジニアリングは、2023年春以降に、SpaceXの衛星通信サービス「Starlink」をバックホール回線として利用する車載型基地局と可搬型基地局を全国に順次導入していくことを発表しました。これにより、災害時においても顧客に高速・低遅延な通信の提供を目指すということです。

宙畑メモ バックホール回線
バックホール回線とは、移動通信ネットワークにおける多数の無線基地局と最寄りの拠点施設との間の高速大容量な情報伝送をサポートする固定回線のことです。通常は光ファイバー回線などの固定有線回線や固定無線回線が利用されています。通信衛星を利用することで地上回線へのアクセス集中(輻輳)を回避することができます。

KDDIはStarlinkをau基地局のバックホール回線に利用する契約をSpaceXと締結したことを、2021年9月に開催された新サービス発表会で説明していました。

Starlinkは低軌道衛星であるため、今回発表された車載型基地局と可搬型基地局は、従来の静止軌道衛星を利用した基地局と比較して、高速・低遅延な通信の提供が可能であり、災害情報の収集・発信などでSNSや動画の活用ができるといいます。

さらに、KDDIによると、衛星通信機材は従来の車載型基地局・可搬型基地局で使用する衛星通信機材と比較し約5分の2の大きさ、約7分の1の重さです。持ち運びや設置が容易となるため、エリア復旧時間の短縮につながり、災害現場への運搬に必要な人員の稼働も低減するといいます。

今週の宇宙ニュース

参考

Starlinkを活用した車載・可搬型基地局を導入~災害時でも高速・低遅延なau通信を実現、2023年春以降順次全国配備~

モバイルバージョンを終了