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Instagramは米国時間3月2日、利用者の年齢を認証するためのテストを拡大し、同日より日本でも導入することを発表した。
これにより、利用者がInstagramに登録した生年月日を、18歳未満から18歳以上になるように変更しようとすると、「本人確認書類のアップロード」または「セルフィー動画の録画」いずれかの方法による年齢認証を求められるようになるとのことだ。
これは10代の利用者と成人の利用者がそれぞれの年齢グループに適した体験をできるようにすることが目的で、米国で2022年6月に導入して以来、対象となる国を増やしてきたという。
今回の拡大でEUの一部の国々、メキシコ、カナダ、韓国、オーストラリアと日本も対象となる。また、プライバシー保護のために、オンラインでの年齢認証に特化した企業であるYotiと提携しているとのことだ。
2019年より、Instagramではアカウントを作成する時に年齢が分かるよう誕生日を入力してもらうようにしており、それ以来、必須となっているという。日本ではInstagramに登録するには13歳以上である必要があり、一部の国では、この年齢はさらに高く設定されている。
年齢認証の新たなテスト方法
Instagramでは年齢認証を行うために、本人確認書類のアップロードに加え、新たにセルフィー動画の録画をテスト。
このオプションを選択すると、アプリの画面に指示が表示され、利用者がセルフィー動画を撮影すると、画像はYotiと共有されるという。それ以外の情報はシェアされない。Yotiのテクノロジーにより顔の特徴に基づいて利用者の年齢を推定され、それがInstagramにシェアされるという。その後、MetaとYotiは画像を消去。Yotiのテクノロジーは、利用者個人を認識することはできなく、認識できるのは、年齢のみであるという。
また、これまでと同様、運転免許証やIDカードなどの身分証明書を本人確認書類としてアップロードして年齢認証を行うことも可能としている。
Instagramでは、このようなアプローチを導入するにあたり、若年層やプライバシー、安全に関する世界中の専門家と連携している。
プライバシーに配慮した年齢認証方法を提供する企業 Yotiとの提携
Metaは、プライバシーに配慮した年齢認証方法を提供する企業のYotiと提携。YotiはAge Check Certification Schemeから認証を受けており、世界中のソーシャルメディア、ゲーム、年齢制限付きのEコマースなどさまざまな業界を対象とする、年齢認証機能のリーディングプロバイダー。
Yotiは、世界中のさまざまな人々の匿名画像を使ってデータセットをトレーニングしていると公表。これらの人々は、Yotiが自らのデータを利用することを明示的に許可しており、また、いつでも自分のデータを削除するようYotiに依頼できる。13歳未満の人々については、特別なデータ収集方法が用いられ、保護者からの明示的な同意を得ているとのことだ。
年齢判断にAIを利用
Instagramでは、年齢認証のための新たな複数の方法をテストしているのに加え、利用者が10代か成人かを判断するためAIの利用も進めているという。
AIは、10代の利用者がFacebookデートにアクセスするのを防ぐのに役立ちます。また、成人の利用者が10代の利用者にメッセージを送ったり、10代の利用者が制限されている広告コンテンツを受け取ったりするのを防ぐのにも役立つ。
Metaのプライバシーへの取り組み
それぞれの年齢認証方法で提供された情報は、年齢確認のために利用される。Instagramのプロフィールに表示されたり、Instagram上の友達や他の利用者に公開されることはない。年齢認証のためにセルフィー動画のアップロードを選択した場合、MetaとYotiは年齢確認が完了次第、そのセルフィー動画を削除するとのことだ。
動画が年齢認証以外の目的で利用されることは、一切ないという。本人確認書類のアップロードを選択した場合、送られた本人確認書類のコピーは暗号化されたうえで、安全に保管されるという。
Metaは、デバイスやApp Storeが年齢制限のあるアプリを提供し、10代の利用者がすべてのアプリで年齢にふさわしい体験ができるようにすることが、この問題に対する効果的な対応策だと考えているとし、オンラインでの効果的な年齢認証方法について業界の基準や規制がない中、利用者のプライバシーを保護しながら年齢認証を行うための方法について、より公平かつ豊富なオプションを提供すべく、様々なテクノロジーに投資しているとのことだ。