月面・宇宙など極限環境で稼働する「高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AI」の共同研究を開始

AI inside株式会社と国立大学法人東北大学の吉田和哉研究室は2023年3月2日、共同研究契約を締結し「極限環境に求められる高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AI」の共同開発とその社会実装に取り組むことを発表した。

開発の背景

人類が宇宙に進出する意義は、宇宙や生命体の起源を探求する学術的側面のみではない。地球上で不足あるいは入手困難な食糧・エネルギー等資源の確保や、人口爆発・気候変動問題等への対応を見据えた居住空間の地球外への拡張、宇宙空間独自の環境を活用した医療・通信技術の向上など、人々の生活をより豊かなものにする重要な取り組みだ。

これまでの宇宙開発プロジェクトの多くは国家機関の主導により進められてきたが、昨今では民間企業が独自の知見や技術力を生かして市場参入している。日本の宇宙産業のさらなる成長のためには、産官学連携による技術力・機動力・資金力を集約したエコシステムを形成し、宇宙産業基盤を強化していく必要があると考えられている。

取り組み内容

AI insideと東北大学 吉田和哉研究室はそれぞれの強みを生かして、月面・宇宙など人間が立ち入ることが困難な極限環境でも新たな価値を創出できる、高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AIの開発とその社会実装を推進する。これにより気候変動や人口爆発、食糧危機といった世界規模の社会課題の解決に寄与するとともに、人類社会の進化に貢献するという。

AI insideは、AIが自律的に学習し新しいAIモデルを自動的に次々と生み出す「Autonomous Learning(オートノマス ラーニング)」や仮想分散型のAIネットワーク構築技術など、研究段階を含む最先端AI要素技術も有する。吉田和哉研究室は、宇宙ロボティクスを研究テーマに内閣府の「ムーンショット型研究開発プログラム」をはじめ数多くの宇宙開発プロジェクトに携わっており、月面探査・宇宙開発の知見やロボティクス分野における多数の技術シーズを有する。

両者の知見や技術を持ち寄りシナジーを発揮することで、まずは月・惑星探査や災害現場といった未知で混沌とした大きな状況変化が伴う環境でも、信頼性高く効率的に知能的な活動を進めることができるAIを開発するとのこと。

■AI inside株式会社
https://inside.ai

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