文化庁は、「観光再開・拡大に向けた文化観光コンテンツの充実事業」オンライン報告会を開催することを発表した。

高付加価値旅行層の取り込みも見据えて文化施設や文化資源(以下、文化資源等)の高付加価値化を図ることが重要となっていることを踏まえ、文化庁は以下2点を目的として事業を実施。

(1)専門家による伴走支援を受けながらコンテンツを造成する経験等を通じて、専門的な知見・ノウハウを各地の人材・組織に蓄積すること

(2)適正な収益を生む持続可能な文化観光コンテンツのモデルを創出するとともに、収益の文化資源等への還元のため文化資源等の関係者の収益基盤を強化すること

今年度は「観光再開・拡大に向けた文化観光コンテンツの充実事業」として、22件の事業を採択し、全国各地で取組を行っている。文化庁は、同事業で得た知見を広く共有するため、オンラインでの成果報告会の開催に至ったとのことだ。

観光再開・拡大に向けて、有形無形を問わず幅広い文化資源等を活用した優良事例の紹介や文化観光の理解を深めることのできる機会となっており、地域や事業の課題解決や今後の推進方策について、各事業者や有識者および専門家である担当コーチを迎えて報告するという。

■開催概要

【名称】「観光再開・拡大に向けた文化観光コンテンツの充実事業」オンライン報告会

【日時】令和5年3月9日18:00~20:05

【形式】オンラインライブ配信(一部事前収録あり)

【申込URL】https://bunkakanko2022.peatix.com/(視聴無料、言語:日本語)
上記URLにアクセスし申込。当日申込による視聴も可能。

【プログラム予定】
18:00~18:05/開会挨拶(文化庁 参事官(文化観光担当)飛田章氏)
18:05~18:20/文化観光 概要説明(文化庁 文化観光推進コーディネーター 丸岡直樹氏)
18:20~18:35/今年度事業 概要説明(一般社団法人 自然文化観光機構 ATCT理事 永谷亜矢子氏)
18:35~19:05/今年度事業 事例紹介(ファシリテーター:ATCT理事 永谷亜矢子氏)
19:05~20:05/今年度事業の総括・一般視聴者からの質疑応答(ATCT理事 齋藤貴弘氏、理事 梅澤高明氏、理事 永谷亜矢子氏、神奈川大学 国際日本学部教授 髙井典子氏、城西大学 現代政策学部准教授 土屋正臣氏、文化庁 丸岡直樹氏)
20:05/終了予定

■事業例(報告会において紹介する事業)

●”クラフトの掛け算”キュレーションを愉しむ北陸伝統文化深耕ツアー確立プロジェクト(石川県小松市)

事業者名:滝ヶ原クラフトアンドステイ
登壇者:
滝ヶ原クラフトアンドステイ代表 堀之内 司氏
(コーチ)HafH Co Inc.代表取締役 田口 弦矢氏
事業概要:
北陸、小松市から福井市に至る地域における、文化資源(伝統工芸・食・酒)をキュレーションによりマッチング。地域伝統産業の若手職人の指導のもと、器などの物づくりを体験できるツアーを「滝ヶ原クラフトアンドステイ」で実施。

さらに完成した作品を使って食事をする機会も提供することで、職人とユーザーの相互理解を深め、新たな販路の開発へとつなげた。

“クラフトの掛け算”キュレーションを愉しむ北陸伝統文化深耕ツアー確立プロジェクト

●熊本城を中心とする細川家関連遺産群を活用した「シン・熊本」観光コンテンツ造成事業(熊本県熊本市)

事業者名:くまもとDMC(地域連携DMO法人)
登壇者:
くまもとDMC執行役員/地域活性推進部長 外山由恵氏
(コーチ)POPSクリエイティブディレクター 田中淳一氏
事業概要:
文化財の修復・復興過程を観光コンテンツ化する「re Construction Tourism」の新たなツーリズムの概念を設定し、そのコンセプトをベースに、震災から復旧中の熊本城において、その復旧作業に携わる石工などの人に焦点を充て、復旧作業中ならではの観光コンテンツを造成。

また、熊本城の城主であった細川家の現当主によるガイドツアーなど新たな知的価値も付加し、熊本城と細川家に纏わる高付加価値型体験コンテンツを開発した。

熊本城を中心とする細川家関連遺産群を活用した「シン・熊本」観光コンテンツ造成事業