社内の役職間で「DX意識格差」が存在 現場作業員の83%が「DXが必要な部署あり」と回答するも経営者の認識はわずか47%

ネットプロテクションは、役職や担当業務が異なる社員を対象にDXに対する意識調査を実施し、結果を公表した。

今回は、現金の集金業務(客先への訪問集金など)に携わる現場作業員を対象とした調査(「現金の集金業務やDXについての意識調査」(以下調査A))と、国内の企業で請求業務(請求、入金管理や督促など)に携わる経営者や営業職を対象とした調査(「請求業務やDXについての意識調査」(以下調査B))の2つの調査結果を公開している。

役職や担当業務が異なる社員を対象にDXに対する意識調査

<DXについての調査結果>

【調査A】(「現金の集金業務やDXについての意識調査」)

​集金を担当する現場作業員で「あなたの会社でDXが必要とされる部門、部署はあるか?」の問いに「特になし」と回答した人はわずか17.3%で、残りの82.7%はDXが必要な部門、部署を回答。

​DXの期待される効果としては「業務の効率化」の69.1%、「コスト削減」の64.6%が上位を占める。次いで「新規顧客の開拓」36.6%や「自社製品・サービスの品質向上」34.1%と、DXによる売上創出のための活動への期待が続いた。

【左】DXが必要とされる部門、部署【右】​DXの期待される効果

「社内の業務がもっと効率化すれば、顧客対応の時間は拡大されると思うか?」の問いに「はい」と回答した人は79.6%で、「仮に社内の業務がもっと効率化したとき、空いた時間でより価値創造を発揮できる業務に挑戦してみたいと思うか?」に「とても思う」「やや思う」と回答した人の合計は85.1%となった。

【左】社内業務の効率化で顧客対応の時間は拡大されるか
【右】より価値創造を発揮できる業務に挑戦してみたいと思うか

【調査B】(「請求業務やDXについての意識調査」)

DXの期待される効果として経営者は「業務の効率化」が68.0%、「コスト削減」が53.9%、営業職も「業務の効率化」が73.4%、「コスト削減」が51.7%と続き、DXへの期待効果は一致している。

DXの期待される効果

「DXが必要とされる部門、部署はあるか?」という問いに対しては、経営者は「営業・販売」が18.6%、「企画・開発」が18.1%、「経理・財務」が17.5%と回答が全体的に低調で分散しているのに対し、営業職は「営業・販売」が50.7%、「企画・開発」「マーケ・広報宣伝」が同21.9%と、自身が所属する部署にDXの必要性を感じている。

また、DXが必要とされる部門、部署は「特になし」と回答した営業職はわずか25.8%で残り74.2%がDXが必要な部門、部署を回答しているのに対し、同様の問いに「特になし」と回答した経営者は53.1%で残り46.9%がDXが必要な部門、部署を回答している。

DXが必要とされる部門、部署はあるか

<集金業務や、請求業務についての調査結果>

【調査A】(「現金の集金業務やDXについての意識調査」)

集金を担当する現場作業員で「トラブルは発生していない」と回答したのは21.1%で、残りの78.9%は現金にまつわるトラブルを経験している。トラブルの内容としては、1位「未回収金の発生」が52.9%、2位「顧客の支払い遅延」が45.3%、3位「売上と集金金額が一致しない」が38.1%と続く。

集金業務にかけている1日あたりの時間の平均は1位「客先・施工先などでの現金集金」が36.2分、2位「集金のための客先・施工先などへの再訪問」が17.7分、3位「集金した現金の有高確認」が9.4分と続く。

特に時間が割かれている「客先・施工先などでの現金集金」を1か月(20営業日)で換算すると、1か月あたり約12時間をその作業に充てていることがわかった。

【左】集金トラブル【右】集金業務にかけている1日あたりの時間

集金を担当する現場作業員で「現金の取り扱いをやめるべきだと思うか?」の問いに「とても思う」「やや思う」と回答した人の合計は79.5%。

現金の取り扱いをやめたい理由としては、1位「集金のための訪問業務の負荷が大きい」が58.7%、2位「現金の過不足をチェックする業務の負荷が大きい」が57.8%、3位「盗難や紛失など現金を失うリスクを押さえたい」が50.0%がいずれも半数以上となった。

【左】現金の取り扱いをやめるべきだと思うか【右】現金の取り扱いをやめたい理由

​集金を担当する現場作業員の72.3%は「取引先や顧客から、現金払い以外の方法で支払いたいといった要望を受けたことがある」と回答。

現金払い以外の方法で支払いたいといった要望を受けたことがあるkかか

【調査B】(「請求業務やDXについての意識調査」)

「お金にまつわるトラブルは発生していない」と回答した人は経営者が56.4%、営業職が49.0%で、残り43.6%の経営者、51.0%の営業職が何らかのお金にまつわるトラブルを経験したことがあるという結果に。

代表的なトラブルとしては、経営者、営業職ともに「顧客の支払い遅延」、「未回収金の発生」、「売上と入金額の不一致」が上位を占めた。

お金にまつわるトラブル

請求業務にかけている1日あたりの時間の平均は、経営者は「入金確認」(10.8分)、「督促・回収対応」(7.1分)と続く。営業職は「督促・回収対応」(12.2分)に最も時間を割かれており、その後「入金確認」(11.6分)と続いている。

また、いずれかの請求業務を行っている営業職の人が、1日のうちに請求業務を行っている時間の平均を算出したところ、42.1分という結果になった。(n=150)

これは月20営業日で換算すると月約14時間、1日の労働時間を8時間とすると年間で約21日分もの時間を本業以外に費やしている計算となる。

請求業務にかけている1日あたりの時間の平

■実施概要
【調査A】
調査名:「現金の集金業務やDXについての意識調査」
調査期間:2022年12月28日~2023年1月4日
調査対象:勤め先で「現金」による訪問先・客先・施工先などでの会計や訪問集金を行う人(回答数:289)
調査方法:インターネット調査

【調査B】
調査名:「請求業務やDXについての意識調査」
調査期間:2022年12月27日~2022年12月28日
調査対象:経営者(回答数:360)、営業職(回答数:361)
調査方法:インターネット調査

※本リリースに関する内容をご掲載の際は、必ず「ネットプロテクションズ調べ」とご記載ください。

<参考>
ネットプロテクションズ調べ『役職や担当業務が異なる社員を対象にDXに対する意識調査

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