オミクロン株対応ワクチン接種率は年明けから鈍化 抗体量は上昇するも抗体保有率は2月から低下傾向 プロテックス調べ

ワクチン接種

プロテックスは、新型コロナウイルスオミクロン株に対する抗体の保有量が、オミクロン対応ワクチンの一般接種が始まった2022年9月以降どの様に変化するかを自社研究所で調査しており、今回はオミクロン株ワクチン接種による社会への影響を評価するため、接種開始時から約4か月後の2023年1月末時点における抗体保有調査を実施し、結果を公表した。

【調査結果】

オミクロン株対応ワクチンの一般接種が2022年9月より始まり、9月にオミクロン株(BA.1)対応ワクチンが、10月にオミクロン株(BA.5)対応ワクチンが接種可能となった。

当初(9月の対象者50名)、オミクロン株に対する抗体量(中央値)は、とても少ない状態であったが、年明けから先週までの間(対象者110名)には、参考値[※1]を超えて大きく上昇。

現在流行の大半をしめているBA.5に対する抗体も一定量検出されており、これは、10月に開始されたオミクロン株(BA.5)対応ワクチン接種の影響が大きいと考えられるとしている。

オミクロン株に対する抗体量

さらに、国内のワクチン接種率と抗体保有率(参考値以上(抗体が十分なレベル))の関係も調査。

まず、ワクチン接種(5回目)を受けた人は、9月から12月まで急速に増加したが、1月以降は鈍化している。次に、オミクロンBA.5に対する抗体が十分にある人(参考値以上)の割合は、9月から上昇傾向であったが、2月(検査期間2月1日~2月10日)になると下降していた。

第108回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の報告では、ワクチン接種により作られた中和抗体価(RBD)は接種後4か月で低下し始めることが指摘されている。

このことから、ワクチン接種率の上昇幅が鈍化すれば、オミクロン対応ワクチン接種が始まったのが約4か月前のため、今後、社会全体の抗体保有率は、減少していく傾向に入る可能性も想定されるとのことだ。

国内のワクチン接種率と抗体保有率

しかし、同調査の結果を見ても、オミクロン(BA.5)対応ワクチンの接種により、望ましいレベルの抗体が作られていることからワクチンの有効性は示されていると同社は考察。

現時点では、政府方針により、オミクロン対応ワクチンが(過去の接種歴に関係なく)1人1回とされており、また今後の追加接種については、年1回で政府内の調整が進むと予想されている。

同社は、新型コロナはインフルエンザのような季節性は見られず、ワクチンによる免疫力は接種後しだいに低下することが知られており、どのタイミングで年1回の追加接種を受けるのかは自身で判断することが必要となるため、同調査がワクチン接種のタイミングを検討する参考となれば幸いだとしている。

【調査概要】
検査目的:新型コロナウイルスに対する抗体の保有量調査
検査方法:従来株、オミクロン株のスパイクタンパク質断片(受容体結合領域)に対する抗体の抗体保持量(抗体価)を調べられるイージードクⓇ『 変異株抗体検査 』にて調査
検体検査時期: 2022年9月1日~2023年2月10日  
対象:イージードクⓇ『変異株抗体検査』を受けた国内在住で調査協力に同意を得られた564名
対象者数(9月):50名(20代以下10%、30代4%、40代16%、50代40%、60代以上30%)
対象者数(10月):216名(20代以下10%、30代8%、40代23%、50代28%、60代以上31%)
対象者数(11月):74名(20代以下9%、30代12%、40代26%、50代36%、60代以上16%)
対象者数(12月):114名(20代以下13%、30代12%、40代22%、50代26%、60代以上27%)
対象者数(1月):67名(20代以下6%、10代12%、40代18%、50代30%、60代以上34%)
対象者数(2月):43名(20代以下9%、30代12%、40代23%、50代33%、60代以上21%)
※2月の対象期間は2月1日~2月10日

<参考>
プロテックス『新型コロナウイルスに対する抗体の保有量調査

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