「森林経営健全化プロジェクト」で効率的な森林CO2吸収量の把握をめざす技術実証を開始

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、西日本電信電話株式会社東海支店、株式会社NTTデータとSpace BD株式会社は2023年2月3日、衛星画像データを活用した森林経営支援とカーボンクレジット発行事業のサービス化をめざす「森林経営健全化プロジェクト」を1月より開始したことを発表した。最初の取り組みとして、4者は4月までの4か月間で森林経営の健全化に向けた森林のCO2吸収量を効率的に評価するための技術実証を行うとのこと。

プロジェクトの概要

4者は社会の状況を踏まえ、森林経営をデジタル技術でサポートすることやCO2排出量を考慮した経営が必要と考え、「森林経営健全化プロジェクト」を立ち上げ、技術検証のため愛知県岡崎市の協力を得て実証を行う運びとなった。

森林経営支援では、現在、現地調査などが必要とされている森林管理のプロセスにおいて、衛星からの画像を活用した高精細な3D地図データを導入することで、人的管理コストの低減に繋げる。これは昨今の課題となっている第一次産業での人材不足解消にも貢献することが期待されるという。

カーボンクレジット発行サービスでは、これまで現地調査や航空機観測で行われていた森林のCO2吸収量の測定に衛星データを活用していく。それにより広範囲のCO2削減量を一度に確認することが可能になり、森林経営の効率化および透明性の高いクレジット発行サービス化をめざすとのこと。4か月の技術実証の結果をもとに、4者は製品開発と事業化に向けた取り組みを続けていく予定。

プロジェクトの目的

下記2点のサービス化に向けた技術検証をおこなう。

①衛星データ活用による森林経営支援
これまで専門家による目視やドローンを活用して調査されていた森林のCO2吸収量の計測に衛星データを活用することで、より広範囲で効率的にCO2削減量を確認し、人的管理コストの低減や第一次産業での人材不足解消もめざす。

②衛星データを活用したカーボンクレジット発行
森林の資源情報を衛星データで経年把握及び解析することで、将来的にカーボンクレジット発行に資するデータとすることをめざす。

プロジェクトの役割分担

森林経営健全化プロジェクトを産学官連携で実施
・ 名古屋大学:森林分野への衛星画像解析の研究、および森林CO2吸着量の算出モデル化の研究
・NTT西日本:全体プロジェクト運営、技術パートナー選定、データマート構築
・NTTデータ:衛星画像の撮影および解析技術の高度化(全世界デジタル3D地図「AW3D®」の活用による効率化および高度化)
・Space BD:ビジネス設計と販路の開拓、技術パートナー選定

■AW3D®
http://www.aw3d.jp/

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