伊藤忠商事は、アフリカの携帯端末等の電子廃棄物を回収しリサイクルするClosing the Loop(以下、CTL)と提携し、国内の携帯端末1台の販売毎にアフリカの携帯端末1台をリサイクルするプログラム「E-waste Compensation」の法人向けの提供を開始すると発表した。
電子廃棄物(E-waste)は、世界で最も増えている廃棄物で、多くは先進国から運び込まれ、途上国等に不当に廃棄されていると言われている。2019年に世界で5,360万トンの電子廃棄物が発生し、2050年には1億1,000万トンになると予測されているという。
世界最大の電子廃棄物の集積場であるガーナの「アグボグブロシー地区」を始めとする廃棄場では、電子廃棄物を燃やして金属を得て稼ごうとする人々が絶えず、そこで発生する有毒ガスにより多くの人が深刻な健康被害も発生しているという。
CTLは、IT機器の第三者認証機関によって初めて認証された世界で唯一のアフリカの電子廃棄物を回収しリサイクルするリーディングカンパニー。
同社の提供する「E-waste Compensation」は、新規に製造・流通される携帯端末等の電子機器に対して、アフリカの製品寿命を終えた機器を回収・リサイクルすることによって、同等の補償(compensation)を付加することができるプログラムとしている。
CTLは、途上国において、野焼きなどの危険な処理から得られる報酬以上の価格で携帯端末の買取・回収を行うことで、現地の労働環境改善を支援。また、回収した端末はEU圏内の高度な技術を有するリサイクル施設に輸送し、適切にリサイクルするという。
伊藤忠商事は、CTLと提携し、国内で初めて「E-waste Compensation」の法人向けの提供を開始。まず第一弾として携帯電話メーカーのFCNT向けに同プログラムを提供。
FCNTは、NTTドコモより2月10日に発売開始されるFCNT製の新機種「arrows N F-51C」の1台販売ごとに、アフリカで廃棄されている携帯電話1台をリサイクルするという。
今後は、これまで培った携帯流通分野における国内外のネットワークを活用し、モバイル端末メーカーや通信キャリア等に同プログラムを展開していくと同時に、携帯端末を購入・利用する法人企業へもSDGsの取組として同プログラムの活用を促していくとしている。
伊藤忠商事は、今回の取組を通じ、今後も限りある資源の有効利用による持続可能な社会の発展に貢献することを目指していくとのことだ。