横河ソリューションサービスとNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、日本初となる、運転員の操作を学習したAIを用いてプラントの自動運転を実現する「オートパイロット」(以下、同機能)を「AIプラント運転支援ソリューション」の新機能として2023年2月より提供開始することを発表した。

なお同機能をJNC石油化学 市原製造所に導入し、従来技術では制御が難しかった工程の自動運転に成功するとともに、運転員による手動操作を超える精度を確認したとのことだ。

導入結果

■同機能の特長

同機能は、プラントの各種センサーから取得した温度や圧力などのデータと運転員の過去の操作履歴より模倣学習で運転員の操作を学び、AIがプラントを自動運転するもの。同ソリューションの新機能として提供されるという。

横河ソリューションサービスが持つ、プラントの運転に関する知見と、NTT Comが持つAI技術を組み合わせ、以下の特長を実現している。

(1)運転の効率化が可能
プラントの運転に本機能が加わることで手動運転を削減し大幅な効率化が可能です。運転員の確保や技術伝承などプラントを運営する多くのお客さまが抱える課題の解決を支援。

(2)高い安全性と継続性を持った運転が可能
同機能では、AIの動作保証範囲から外れたことを検知した場合、運転員に即時通知するとともに、手動運転に切り替えられる。その後、運転員の判断のもとオートパイロットに戻すことが可能。人との連携により安全性と継続性を担保した操業を実現。

(3)自動再学習による状況変化への対応
同機能は、蓄積されたデータの中から現状に近い状況の操作履歴などを抽出し、高頻度に自動再学習。その結果、新たな環境に沿ったルールをAIが導き出し、生産量や設備の経年変化などの状況に応じた最適な自動運転を実現可能とする。

同機能のイメージ図

両社は、運転員の確保や技能伝承、操業の効率化に課題を抱える企業を中心に、同機能を提供。横河ソリューションサービスは、現在展開中のPIDチューニング、高度制御導入などプラントの安全性や生産性を改善するソリューションに、さらに同機能を加え、利用者の操業の効率化に向けた課題解決の幅を広げていくとしている。

NTT Comは、同機能を応用し漁業や農業の工程の自動化を実現するユースケース創出に取り組み、製造業に加え、あらゆる産業のスマート化を実現。また同機能に関する利用者向けのWebinarを2023年2月に開催するとのことだ。