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LIFULLのグループ会社であり、日本最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護」を運営するLIFULL seniorは、全国30代以上の男女1400名を対象に「介護の実態および意識に関する調査」を実施し、結果を公表した。
■調査レポート1【対象:全員】
介護は「専門職の手を借りたい」が約8割。介護経験者ほど推奨意向が高い結果に。「家族だけで行うべき」といった従来の介護イメージから変化あり
介護に関する考え方について調査。「介護士など専門職の手を借りた方がいい」と回答した人は、全体の84.2%となり、「介護保険サービスを利用した方が良い」と考える人も全体の85.8%と、大半の人が専門職の手を借りたい、借りた方が良いという結果となった。
また、介護に携わったことが“ある人”/“ない人”の意識差を見ると、「介護士など専門職の手を借りた方がいい」91.8%/78.5%(13.3ポイント差)、「介護保険サービスを利用した方が良い」93.7%/80.0%(13.7ポイント差)とそれぞれ約13ポイントの差があることがわかった。
同社は、介護に携わった人の方が、専門職や介護サービスの必要性を認識しているという結果と言えそうだとしている。
■調査レポート2【対象:親が要介護者】
介護サービスを利用している人は84.3%。デイサービスと施設入居が二分
親の介護をどのように行っているか聞いたところ、デイサービス、訪問介護、施設入居などの“何かしらの介護サービスを利用している人”は全体の84.3%に。
内訳は「家族や身内で介護を行っているが、デイサービスも活用している」33.3%、「介護施設などに入居して受けるサービスを活用している」32.4%と、デイサービスと施設入居で二分されるという結果。
一方で、「家族や身内で介護を行っている(とくに介護サービスは利用していない)」はわずか9.5%と少数派。多くの人が親の介護を行うにあたり、介護サービスをうまく活用していると言える。
■調査レポート3【対象:親が要介護者の方】
介護は「長男の嫁の仕事」という考えも今は昔。「長男」、「長女」の役割に。「長男の嫁」は6位
親の介護を家族のうち、誰がメインで行ったかを聞いたところ、最も多いのは「長男」が29.1%でトップ。次いで、「長女」20.2%、「親の配偶者」が14.8%、「次女」10.3%、「次男」8.9%という結果に。
かつて、親の介護者として筆頭で上げられていたいわゆる「長男の嫁」は8.4%と6番目のランクインとなった。
「長男」がトップであるものの、2番目は「長女」と、生まれ順が早い“長男・長女”の合計値は49.3%と約半数を占めている。
■調査レポート4【対象:全員】
介護施設に入居したくない・させたくない理由トップは、自分自身・親ともに「金銭面」
介護施設などに入居して受けるサービスを利用したいか聞いたところ、自分自身が介護される場合/親の場合、それぞれにおいてに入居サービスを“利用したくない/させたくない”と回答したのは全体の28.9%/24.3%という結果となった。
また、それぞれの理由をみると、自分自身/親ともに「金銭面が不安」がトップで、44.9%/38.8%という結果になっている。
次いで、自分自身の利用したくない理由は「生活の自由がなさそう(減りそう)」(30.4%)であるのに対し、親は「家族や身内でみてあげたい」(24.4%)が2位にランクイン。
自分自身はさておき、親については、“家族・身内でみてあげたい”という気持ちが強いことがうかがえる。
■調査レポート5【対象:全員】
介護施設に入居したくない・させたくない理由、介護経験者/未経験者ごとの特徴
自分自身が介護される場合/親の場合のそれぞれにおいて、介護施設などに入居して受けるサービスを“利用したくない・させたくない”理由を、介護経験者/未経験者で比較。
どのカテゴリでも共通して、「金銭面」が理由のトップでとなった。次いで、自分自身の場合は「生活の自由がなさそう」、親の場合は「家族や身内でみてあげたい」と介護経験による差異はみられない結果に。
それぞれのカテゴリごとの特徴を見てみると、介護経験者は「介護サービスのイメージが良くない」の回答が多く(自分自身:4位、親:5位)、未経験者は少ない(自分自身:8位、親:8位)とランク差がみられた。
また、「使い方がよくわからない」については、未経験者が多く回答し(自分自身:4位、親:3位)、介護経験者の回答は少ない(自分自身:ランク外、親:8位)という結果となった。
これらから、介護経験者は自分でリサーチをして、ある程度の知識を持っているが、“介護施設にあまり良いイメージを持てていない”。未経験者は、そもそもの使い方がわからず、“サービスを身近に感じられていない”という実態が伺える。
【調査概要】
名称:「介護の実態および意識に関する調査」
対象:全国の30代~60代以上の男女1,400人
※介護経験あり40~60代以上600人、介護経験なし30~60代以上800人(各世代200人)
期間:2022年12月14日~12月16日
方法:インターネット調査
<参考>
LIFULL senior『介護の実態および意識に関する調査』