ソフトバンクの子会社であるBOLDLYは、2025年大阪・関西万博会場への来場者輸送を見据えて2022年12月1~23日に大阪市高速電気軌道(以下、Osaka Metro)などと共同で実施した実証実験において、自動運転バスの走行業務および遠隔監視システムの提供を行ったと発表した。
同実証実験では、自動運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」(仏Navya社製)2台を用いて、舞洲スポーツアイランドに設けた「舞洲実証実験会場」内のテストコース(私有地)を、添乗員が運転操作に関与しない自動運転レベル4で、「舞洲実証実験会場」と最寄りのバス停である舞洲東バス停間の公道を、車内のオペレーターが一部の運転操作を行う自動運転レベル2で、自動運転バスを走行させたという。
「舞洲実証実験会場」内のテストコースで実施した自動運転レベル4の実証では、テストコース内の信号機と自動運転バスが通信により連携する信号協調を行う他、BOLDLYの運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」で走行ダイヤとルートを遠隔地から指示することにより、実際に、車内の添乗員が一切運転操作を行うことなく「NAVYA ARMA」をダイヤ通りに走行させ、自動運転レベル4での走行を実現。
テストコースおよび公道で実施した実証では、「Dispatcher」と、「NAVYA ARMA」および先進モビリティが改造した自動運転車両「ポンチョ」を接続し、Osaka Metroの遠隔監視者一人が、「Dispatcher」を用いて2車種・計3台の自動運転車両の遠隔監視を行う他、緊急時を想定して遠隔地から「NAVYA ARMA」の停止や発車指示を行う検証を実施。
また、将来的な自動運転レベル4での無人自動運転サービスを見据えて、添乗員がいなくても乗客が安心して利用できるように、凸版印刷のアテンドサービスを用いて、AGCのガラス製透明スクリーン「Glascene」を貼った「NAVYA ARMA」の窓ガラスにアバターを投影し、アバターを使って遠隔地から車内案内を行う実証も行ったという。
BOLDLYは、同実証実験で得た知見を活用し、今後、公道での自動運転レベル4の早期実用化に向けた取り組みを加速させていくとしている。