産経新聞社と人事コンサルティングのワークス・ジャパンは、2024年3月卒業・修了予定の大学生、大学院生を対象に、就職希望先調査を実施し。結果を公表した。
【就職人気企業ランキング結果/文系総合】
文系総合では「総合商社」「生命・損害保険」「銀行・証券」が上位
文系総合ランキングでは、伊藤忠商事が1位となった。学生自身が成長を実感できることをインターンシップのコンセプトとしており、業務の疑似体験を通じて、伊藤忠商事ならではの成長やビジネスの醍醐味を感じられるプログラムを提供している。
また、総合商社では4位に住友商事、5位に三菱商事、8位に三井物産もランクイン。住友商事は対面のイベントを積極的に開催し、社員と交流できる機会を設置し、三菱商事も「MC Academia」と呼ばれる社員とのコミュニケーションプログラムを用意しており、学生がキャリアイメージを描きやすい工夫が支持につながったとしている。
なお、昨年に引き続き、生命・損害保険、銀行・証券の人気も高く、2位は、インターンシップの開催時期を前倒しにした損害保険ジャパンがランクイン。業界や企業の在り方について理解を深められる構成となっており、もともと業界への関心がそれほど高くなかった学生でも気軽に参加できる。
3位の東京海上日動火災保険は、部門別や地元就職向けプログラムで多様な働き方のニーズに応えている。グループ企業共通の人事体制へ移行したみずほフィナンシャルグループは7位、三菱UFJ銀行は10位に。
そのほか、総合コンサルティングのアクセンチュアが6位、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズが9位となるなど、昨年9月に実施した中間発表で上位となった企業が就活本番目前においても支持を獲得している結果となった。
【就職人気企業ランキング結果/理系総合】
理系総合では「IT・ソフトウェア」「メーカー」が上位
昨年のランキングから1位と2位が入れ替わり、トップに立ったのはNTTデータ。チームでのアイデアソンと、現場のプロジェクトへの配属という2軸のインターンシップを開催し、ITの最前線を体感することが可能。
他にも、YouTubeやWEBマガジン「Up ToData」を通じて、日ごろから企業の取り組みやキャリアなどの情報発信にも力を入れ、ネット世代にアプローチしている。
また、バラエティに富んだインターンシップを開催するのが、2位のソニーグループと6位の富士通。ソニーグループは長期有給インターンシップや約2週間の職場密着、1dayの見学会、富士通は分野やテーマ別の24種類のプログラムからなる「Field Learning」を開催するなど、幅広い学生にマッチする施策が支持につながったとしている。
前述の3社ほか、5位に富士フイルム、9位に日立製作所、10位に村田製作所がランクインするなどDXという新潮流で活躍を見せる企業が目立つ。
そんな企業をサポートするコンサルは、業界を問わず多様なスキルを蓄積できることもあってか、3位に野村総合研究所(NRI)、8にアクセンチュアがランクイン。また、4位はトヨタ自動車、7位はパナソニックと、昨年に引き続きメーカーの人気も堅調な結果となった。
【総括】大手を中心とした堅実な企業選びが主流
5つのカテゴリー(文系総合、理系総合、理系専攻別、大学別、業界別)で実施した就職先希望調査で人気を集めたのは、大手企業を中心とした堅実な企業だった。
文系では、「総合商社」をはじめ、「生命・損害保険」、「銀行・証券」。理系総合、また理系専攻別においても「IT・ソフトウェア」、「メーカー」などが多くの学生から支持を集めており、早期化する就職活動やコロナ禍という不安に寄り添い、企業独自の取り組みが際立った結果ともいえるとのことだ。
【調査概要】
調査対象:2024年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生
調査期間:2022年5月9日~11月30日
調査方法:
就職対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、WEB上のアンケートフォームで回収。就職を希望する企業ランキングは第1志望から第5志望までの選択方式で、第1志望には5ポイント、第2志望には4ポイント、第3志望には3ポイント、第4志望には2ポイント、第5志望には1ポイントを配分して集計。
有効回答数:21,840票
<参考>
産経新聞社と人事コンサルティングのワークス・ジャパン『2024年卒大学生就職人気企業ランキング』