日立システムズは、自治体や商店街などが運営する地域独自のポイントや商品券、チケットを使った事業のデジタル化により、地域経済や地域コミュニティの活性化を支援する「キャッシュレス地域活性化支援サービス」を提供開始すると発表した。

同サービスは、自治体などの運営事業者が従来紙で運営していたポイント、商品券、チケットなどを容易にデジタル化でき、ポイントチャージや加盟店での利用をキャッシュレスで実現するプラットフォームサービス。

これにより、運営事業者は運営業務の効率化や、住民や観光客などのサービス利用者の購買データ/アンケート結果の分析による地域内消費の活性化や周遊性向上、地域課題の可視化や事業効果の検証等、地域活性化のためのさまざまな施策を行うことが可能になるという。

日立システムズは同サービスの提供を通じて、支払い分野を中心とした地域のDX推進を支援し、2025年度までに累計10億円の売り上げをめざすとしている。

■「キャッシュレス地域活性化支援サービス」を導入するメリット

対象者利点
運営事業者
(自治体など)
・ポイント、商品券、チケットのデジタル化により、用紙代や印刷代、輸送費や販売委託コストが削減でき、管理業務等が不要
・デジタル化による企画から実行までの期間短縮により新たなイベント機会の創出
・購買/取引履歴や会員情報、チャットボットで収集したアンケートデータを分析・活用することで、地域課題の可視化や事業の効果検証、地域経済や地域コミュニティの活性化に向けた企画立案等が可能
・プッシュ通知による情報発信、譲渡機能やスタンプラリーイベントへの対応による集客や周遊性向上のための施策が可能
・スマートデバイスの利用に慣れていない方々にも配慮し、日立の生体認証統合基盤サービスとの連携により静脈を利用した安心・安全・便利な手ぶら決済が可能
加盟店舗・QRコード決済方式のため、決済端末などの専用機器が不要
・自店舗の購買/取引履歴の照会が可能
サービス利用者
(住民や観光客など)
・店舗の営業時間を気にすることなく、商品券やチケットなどの購入が可能
・WEBからポイント、商品券、チケットの利用実績や残高の確認等が可能

■過去に行った実証実験

一般社団法人戸越銀座エリアマネジメントと、戸越銀座商店街においてデジタル地域通貨「戸越銀座ポイント」の実証実験を行い、参加者の80%以上がWebアプリケーションの利用に「満足した」、98%が次回のイベントにも参加したいと回答(2020年11月)。

また、まちづくり府中と「むさし府中 まちバル2022夏」で電子チケットの実証実験を行い、参加者の89%がアプリケーションの利用について「スムーズに利用できた」、「次回のイベントでは、紙チケットと電子チケットどちらを利用して参加したいですか?」に84%の人が「電子チケット」と回答(2022年7月)。

■今後の展望

日立システムズは自治体DX関連ソリューションを提供しており、住民・職員・地域がデジタルでつながることを支援してきた。将来的には「キャッシュレス地域活性化支援サービス」と自治体向けサービスの連携もめざすという。例えば、自治体が住民に実施している各種給付金の支給や子育て支援などの各種クーポンの配信など、住民一人ひとりのニーズに適合したきめ細かな住民サービスの提供が可能に。

また、今後は自治体だけではなく、観光業界や地方銀行、DMO(観光協会)などにも支援を広げていくとのことだ。