アリババグループ傘下の中国最大級の越境ECプラットフォームTmall Global(天猫国際、Tモールグローバル)は、12月22日にグローバルライブコマース連盟(以下、連盟)を発足し、海外第1号拠点を日本に設立したことを発表した。
潤泰商貿、大熊物産、楽GOO国際、REA商事、Inagoraなどライブコマースを手がける約10社が同連盟に参画しており、日本で活躍する約300名のインフルエンサーと連携しているという。
日本企業が中国市場に進出する際の最初の足がかりとなるTmall Globalは、日本在住のインフルエンサーと協力し、Tmall Globalや日本企業のライブコマースを通じて、日本の文化と多様なライフスタイルや最新商品を中国の消費者に継続的に紹介していくとのことだ。
同取り組みを通じて、日本企業の中国進出及び事業成長を支援すると同時に、中国の消費者に日本で実際に買い物しているような体験を提供することを目指しているという。
連盟の設立当日、Tmall Globalゼネラル・マネージャーの董臻貞(ドン・ジェンジェン)氏と日本のハイブランド専門リセールサイトRECLOの古志野社長がライバーとなり、中国の消費者にRECLOのハイブランド品倉庫ツアーや、おすすめのリユースハイブランド品を紹介するライブコマースを東京にて実施。
Tmall Globalの董は下記のように述べている。
「海外で生活するインフルエンサーの方々は、魅力が詰まった現地のブランド情報やトレンドに敏感で、その土地の文化を理解しています。彼らが現地ライバーとして、Tmall Globalや企業のライブコマースにて、質の高い商品や人気のライフスタイルを中国の消費者に伝えてくれることを期待しています。」
連盟発足後、京都のお酒の美術館から日本のウィスキーなどのお酒とその飲み方を、大阪の南海部品本店から日本製ヘルメットを、新潟県の道の駅・燕三条地場産センターから職人が一つ一つ手作りした選りすぐりの日本製キッチン用品やアウトドア用品などをライブコマースで紹介。
Tmall Globalが主催するライブコマースでは、過度に値引や特典を強調することなく、ものづくりの当事者に焦点を当てたブランドストーリーと商品の優位性や特徴を中国の消費者に伝えているとのことだ。
Tmall Globalジャパン劉耘岐事業開発部長は下記のように述べている。
「連盟を通じて、日本の企業やインフルエンサーとともに、Made in Japan製品の認知度向上と優位性訴求を図りたいと思います。今後も、質の高い個性的なライフスタイルを追求している4億人以上の中国の中間層を主なターゲット顧客として、ヘルスケア、アウトドア、コスメ等のカテゴリーごとに継続的にライブコマースを実施していきます。」
新型コロナウイルス感染症の影響により、国境を越えた人々の往来が完全に回復していないなか、Tmall Globalは海外製品を購入するために欠かせない手段となっている。中国における越境ECの直近3年間の成長率は年平均20%を維持しており、中国消費市場の成長を牽引しているという。
Tmall Globalに出品する1,000以上の海外企業の2022年天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバルにおける売上額は、前年同期比100%以上の増加を記録。Tmall Globalは今後も、連盟を通じたマーケティングなど支援体制のさらなる拡充により、海外企業の中国進出と事業成長に貢献していくとしている。