サイキンソー、国立大学法人大阪大学感染症総合教育研究拠点、大阪大学微生物病研究所、および大阪大学大学院医学系研究科（呼吸器・免疫内科学、免疫制御学、感染制御学）は、「腸内細菌および真菌により誘導される免疫病の病態解明」の共同研究を開始すると発表した。

サイキンソー、新型コロナ感染後症状・後遺症に関する共同研究を開始　コロナが腸内細菌叢に与える影響について調査

新型コロナウイルス感染症の感染後症状、および後遺症（通称：LongCOVID）が腸内細菌叢に与える影響を明らかにするため、新型コロナウイルス感染症で入院歴のある人を対象に腸内細菌叢の解析を実施するとのことだ。

同研究に関して

（1）研究の背景

現在、新型コロナウイルス感染症に伴う後遺症が問題となっているが、後遺症の原因や治療法についてはまだ分かっていないことが多くある。これまでの研究で、新型コロナウイルス感染症からの回復後でも、長い期間腸内細菌叢の乱れが続いている人がいることが分かりつつあるという。

同共同研究では、腸内細菌の乱れが後遺症の発症に関与しているかを解明するための研究に大阪大学感染症総合教育研究拠点等が取り組み、サイキンソーが腸内細菌叢解析を担当。

（2）研究参加者

大阪大学感染症総合教育研究拠点　感染症・生体防御研究部門長・教授　竹田 潔
大阪大学微生物病研究所　ゲノム解析室　助教　元岡 大祐
大阪大学大学院医学系研究科　感染制御学　教授　忽那 賢志
大阪大学大学院医学系研究科　呼吸器・免疫内科学　大学院生（同研究科　免疫制御学　大学院生）　猪頭 英里
サイキンソー

（3）今後の展望

同共同研究で得られるデータを活用することで、新型コロナウイルスをはじめとする免疫病の病態解明、それによる治療法や予防法の確立に貢献できる可能性が期待されるという。

研究協力に関して
腸内細菌と後遺症の関連をより詳しく検討するために、新型コロナウイルス感染症から回復し、自身の便を提供できる人を募集しているという。エントリーした人のうち、「研究対象となった人」には、自身の腸内細菌の構成や割合などを詳しく解析した結果を送るとのことだ。

＜対象となる人＞　以下の全てに該当する人
・これまでに新型コロナウイルス感染症と診断された人で、新型コロナウイルス感染症の治療のために医療機関へ入院した人（いわゆる中等症や重症に当てはまる人）
・日本在住で、新型コロナウイルス感染症を発症した時に 20 歳以上の年齢である人
・自宅で採取した便の提供とオンラインでアンケートの入力に同意する人
※後遺症のない人でも参加可能