楽天の代表取締役会長兼社長の三木谷 浩史氏は、各地で大規模な停電が発生しているウクライナへの人道支援を目的に、「Samurai Donation Project」として資金を拠出し、工進の協力のもと、同社製の発電機500台をウクライナに寄贈すると発表した。
発送は年内を予定しているとのことだ。
ウクライナでは侵攻により、現在も民間人を含めた多くの犠牲者や国内外への避難者が出ており、深刻な人道危機に直面している。また、各地でインフラ施設等への攻撃を受け、厳しい寒さの中、大規模な停電や電力不足、断水などが発生している。
こうした危機的な状況を鑑み、同寄贈を通じた、ウクライナ国民の生活に必要な電力確保に向けた支援を行うことを決めたという。
今回寄贈する工進社製の発電機は「インバーター発電機 GV-16i」500台。これらは「Tina Karol Foundation(チーナ・カーロリ財団)」を通じて、ウクライナ国民や同国内の避難所などに、変圧器と合わせて提供される。
欧州内および現地での配送に関しては、ウクライナの物流事業者「Nova Poshta(ノヴァ・ポシュタ)」に協力してもらうという。同発電機は、テレビやヒーターをはじめとした電化製品、照明器具、スマートフォン等の日常生活で使用する際に利用できる。なお、変圧器の用意にあたっては、「楽天市場」の出店店舗からの協力もあるとのことだ。
今回の寄贈は、本年2月に行ったウクライナ政府への人道支援を目的とした10億円の寄付に続くものとなる。なお、楽天グループ(以下、楽天)においても、インターネット募金「楽天クラッチ募金」を通じた「ウクライナ人道危機 緊急支援募金」への寄付、およびウクライナ国旗が描かれた「ウクライナ支援チャリティーTシャツ」を進呈する「ウクライナ支援チャリティーTシャツ募金」を実施し、募金総額は13億円を超えているという。
また、楽天の子会社であるViber社は、ウクライナ国内で広くモバイルメッセージングアプリ「Viber(バイバー)」が利用されていることから、家族や友人と自由なコミュケーションができるよう、同国含む34カ国で固定電話や携帯電話への音声通話機能「Viber Out」を無料で利用できるプログラムを提供するなどしてきた。
ウクライナの人々ができるだけ早く、再び平和を取り戻せることを切に願い、今後も様々な支援活動に取り組んでいくとしている。