ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた2022年度上半期の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。
2022年度上半期は、約6,700万件の広告素材をYahoo! JAPANが定めた基準に抵触する素材として非承認にしたとのことだ。
同レポートは、ユーザーや広告主、広告会社、広告配信パートナーが、Yahoo! JAPANの広告サービスを安心して利用できることを目的に2019年から公開。今回で6回目の公開となる。
広告審査による非承認理由ごとの割合において、同レポート公開を開始した2019年以降の上半期の上位を示したものが以下の図表となる。
非承認理由については、「最上級表示、No.1表示」や「薬用化粧品・化粧品」が常に上位を占めているが、2022年度上半期は「医療機関」の割合が上昇。
Yahoo! JAPANは、景品表示法・薬機法、医療法に基づき広告掲載基準を定めているため、ユーザーの財産・身体へのリスクの排除を重視したうえで、法令に違反するおそれのあるものについて厳格に審査を実施しているとのことだ。
Yahoo! JAPANは、広告の品質を担保するために日々審査を実施。
広告審査では広告単位の対応だけでなく、違反表現を繰り返したり、大量の非承認広告の入稿を行ったりする広告アカウント自体を停止しているという。その結果、2022年度上半期は4,069件のアカウントを非承認としたとのことだ。
同社は2021年下半期と比較してアカウント審査非承認数が減少した理由として、2022年4月に「広告アカウント審査基準」を公開したことで、非承認となるものを広告主があらかじめ想定しやすい環境となったことが影響したと推察している。
なお、政府は2022年7月に、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(以下、透明化法)の規制対象へ新たにデジタル広告分野を追加。
2022年10月3日に、Yahoo! JAPANを含む複数のデジタルプラットフォーム事業者が規制対象として指定されている。
同社は事業者指定日に、デジタル広告事業の透明性向上のため審査基準やデータの取り扱いなどの情報を集約した特設サイトを公開し、透明化法の情報開示項目に沿って、平易な表現を用いて記載することで、わかりやすい情報開示を実施。
透明化法は、デジタルプラットフォーム事業者に対して、広告主などの声に耳を傾けるとともに、アドフラウド等デジタル広告の質の問題について、対策状況の説明等を通じて広告主の理解を促進することを求めており、同レポートでは、アドフラウドやブランドセーフティの対策状況についても公開。広告主の理解促進に役立つと考えているとのことだ。
同社では透明化法の施行に先駆けて、広告サービス品質維持向上のための取り組みを客観的に評価するために、定期的に広告主を対象としたアンケート調査を実施。
広告審査・ブランドセーフティ・アドフラウド対策などの分野における、各ガイドラインの内容の適切度や広告主からの信頼度、広告審査における非承認理由の分かりやすさなどについて評価をしてもらい、それらを分析して改善につなげているという。
さらに2022年12月には、多角的な視点を取り入れることを目的に、インターネットユーザー約3,000人を対象としたインターネット広告の品質に関する調査も実施し、ユーザーがストレスなく広告に接触できる状態の分析も実施。
「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」をミッションに掲げる同社は、今後も同レポートの定期的な公開や審査・パトロールの強化、審査の透明性の担保や機能拡充・改善を行い、ユーザーや広告主、広告会社、広告配信パートナーなどが安心して活用できるプラットフォームを目指すとのことだ。