LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」は、2022年の住まいに関する消費動向やトレンドなどを振り返り、1年間のヒットワードを番付にした「LIFULL HOME’S 住まいのヒットワード番付 2022」を初めて発表した。

「LIFULL HOME’S 住まいのヒットワード番付 2022」発表
LIFULL HOME’S 住まいのヒットワード番付 2022

※同番付は、LIFULL HOME’Sに加盟する全国の不動産事業者へアンケートを実施し、その結果をもとにした社内有識者の総合的な判断で決定。なお、選ばれたヒットワードと東西の地理的な関係はないとのこと。

■ヒットワード解説

東の横綱は「建築資材の価格高騰」、西の横綱は「18歳からの住まい契約」

東の横綱には、円安やウッドショック、アイアンショック、ウクライナ情勢といった世界情勢による住宅への大きな影響を与えた「建築資材の価格高騰」が選出。住宅価格の上昇のほか、建築スケジュールに遅延がでるなど住宅業界全体に混乱を与える状況だったという。

西の横綱は、「18歳からの住まい契約」。2022年4月からの成人年齢引き下げにより、18歳から1人でも賃貸借契約が結ぶことが可能に。

大関には、「住宅地価上昇」と「不動産DX加速」が選出

東の大関には、「住宅地価上昇」が選出。コロナ禍によるテレワークが定着し、住環境への関心が高まったことで、郊外や都市部周辺の地域を中心に利便性、ゆとりを求めた住み替え、移住の需要が拡大したことが要因。

一方で、西の大関には「不動産DX加速」が選出。オンライン内見や不動産取引の電子契約解禁など、不動産業界全体でDXが加速した年に。

東西関脇の「ワークスペース付きマンション」「転職なき移住」は、仕事と生活の新たな潮流が顕著に

リモートワークの浸透により、東の関脇に「ワークスペース付きマンション」、西の関脇に「転職なき移住」が新たな潮流として選出。

小結には、東に「事故物件ガイドライン」、西に「ZEH-M(ゼッチエム)」が選出

国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定。家主や管理会社が、事故物件として扱われるのではないかと単身高齢者の入居を拒絶するようなことが起こっていたが、告知をしなくても良い物件を明確化することで、スムーズな契約ができるようにすることが目的だという。

また、住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量の収支をプラスマイナス「ゼロ」にするNet Zero Energy House、通称「ZEH(ゼッチ)」の波がマンションにも到来。

にわかに盛り上がっている前頭「住宅関連ドラマ」と「平屋ブーム」

東の「住宅関連ドラマ」は、“正直不動産”や“魔法のリノベ”といった不動産や住宅に纏わるテレビドラマが放送され、業界に注目が集まった。

一方で、西の前頭には「平屋ブーム」が選出。平屋は、建築着工数が年々増え続けており、バリアフリーという観点や耐震面を考え、かつコロナ禍で郊外や地方移住により、広い土地を確保することで得られる“ゆとり”もその要因の一つと考えられるとのことだ。

気になる株は、東の「木ション」、西の「核シェルター」

「木ション」は木造マンションの略称。木造建築の課題である耐火、耐久、耐震性などの基準を満たす技術が開発で進化。また、建設時の二酸化炭素の排出を押さえ、炭素の貯蔵量、排出量の優位性においても脱炭素にも貢献できる点で大きな注目を浴びているという。

一方、西の気になる株には「核シェルター」が選出。昨今のウクライナ侵攻や隣国のミサイル発射など世界情勢への不安から、「核シェルター」への注目が集まっているとのことだ。