ワーキングママのキャリア支援事業を展開するmogは、ワーママがキャリアの可能性を広げる場所「ママノバ」に登録したワーママを対象に育休について調査。まだまだ伸び悩む男性育休の取得率であるが、キャリア志向のワーママの家庭では育児の夫婦の協力体制が整っているなどの傾向が考えられ、育休取得率も高い割合となったとのことだ。実際に育休を取得したパパの事例とともに調査結果を紹介。
■育休を取得する男性はいまだ13.97%
「25年までに30%」と政府が目標を掲げる男性育休であるが、厚生労働省の「令和3年度雇用均等基本調査(2022年7月発表)」によると、男性の育休取得率はいまだ13.97%と目標には遠くおよばない状況であるという。
一方で「雇用均等基本調査」で業種別の取得率を見ると、「金融業・保険業」は40.64%、「卸売業・小売業」は5.81%と、業種によって大きな差があることも分かる。
このような状況を改善すべく施行された「産後パパ育休」。男性版の産休とも言われ、注目を集めているが、同調査では実際に同社に登録するキャリアママに直近の出産でパートナーであるパパが育休を取得したか、またその期間などについて調査。
■キャリアママのパートナー(パパ)は約4割が育休を取得
今回の調査でママノバ会員であるワーママにパートナー(パパ)が育休を取得したかどうか聞いたところ、39%が「はい」と回答。これは「雇用均等基本調査」の業種別取得率でもっとも高かった「金融業・保険業」に匹敵する高い割合であるという。
主に総合職として活躍するキャリアママの家庭では政府目標をも上回るパパの育休取得率で、家庭の育児環境としても夫婦の協力体制が構築できている家庭が多いと考えられるとのことだ。
パパは育休を取得した?
■男性育休の取得期間は1カ月程度が半数以上
パパの育休期間は「1カ月程度」が52%で圧倒的に高い割合。1週間から数週間の取得も珍しくなかった男性育休であるが、取得率が増加しているだけでなく、育休期間も長くなっている傾向であるとのことだ。
2カ月以上を取得している人も2割近くにのぼった。フリーコメントを見ると、2回に分けて取得したり、働き方を調整するケースも多く、育児と仕事のバランスを取りながら、各家庭で工夫している様子が見られたという。
パパの育休期間は?
<フリーコメント>
・里帰り後2週間と、私の復帰・慣らし保育の1カ月間の2回、取得してもらった。
・ママの里帰り先からの帰宅に合わせたタイミングで3カ月間。
・出産直後から1カ月、その後2カ月くらいは在宅勤務と時短勤務を組み合わせた。
・1人目の時は予定日少し後から生後1カ月くらいまで。2人目の時は予定日少し前から産後10日くらいまで。2人目の時はコロナ禍で在宅勤務メインだったので、それでも問題なかった。
■【男性育休の事例】育休2カ月。育児の理解を深め、キャリアにもプラスになると実感
<31歳、ITサービス マーケティング職のパパの場合>
「育児を妻に任せっきりにしたくないと考えて2カ月取ろうと決意しました。上司や同僚も理解がある恵まれた職場環境でしたので、育休取得に関しては苦労はあまりなく、周りのメンバーはみんな「育休、いいじゃん!」という好意的な反応でした。復職のタイミングでどういう仕事がしたいか、どんな働き方がしたいかということを自分自身でも考え、上司と目標をあらためて設定できたのはキャリアとしても良かった点です。それまでは漠然と進めていた業務も、こういうミッションで仕事していくんだという気づきがあったように感じます。
また、育休中は育児メインではあったものの、1日1時間程度の隙間時間で英語の勉強もできて、スキルアップにもつながったと思っています。」
【調査概要】
・調査期間:2022年10月1日~10月31日
・調査機関(調査主体):自社調査
・有効回答数(サンプル数):80
・調査方法(集計方法、算出方法):登録者へのWebアンケート