登山届をスマホで完結 ヤマップ、山口県警察と「遭難ZERO協定/登山届連携」を締結 遭難救助活動の迅速化に向け前進

登山地図GPSアプリ「YAMAP」を運営するヤマップは、山口県警察と「遭難ZERO協定/登山届連携」を締結したことを発表した。YAMAPで「登山計画」を作成し、YAMAPに提出するだけで、山口県警察への正式な「登山届」として受理されるという。

登山届をスマホで完結 ヤマップ、山口県警察と「遭難ZERO協定/登山届連携」を締結 遭難救助活動の迅速化に向け前進

アプリで作成した登山計画書をそのまま山口県警察に提出可能

「YAMAP」には、事前にコースタイムを自動計算して無理のない登山計画が作成できると同時に、「YAMAPに登山計画を提出する」を押すと、大切な家族など(緊急連絡先)にも共有できる登山計画&提出機能がある。

今回の協定により、YAMAPに登山計画を提出すると、山口県警察へも正式な登山届として同時に提出することになるとのことだ。さらに、「YAMAP」は日本全国25000座以上の山情報を収録しており、登山届ポストがないような里山や低山であっても、計画を提出することが可能であるという。

登山者は別に登山計画書を記入・郵送・投函したりするなどの手間が省けて利便性が上がる。一方、山口県警察は登山届の提出数が大幅にアップすることが見込まれ、万が一の遭難の場合でも救助に有用な登山計画情報を早く把握でき、救助の迅速化が期待されるとのことだ。

登山届をスマホで完結 ヤマップ、山口県警察と「遭難ZERO協定/登山届連携」を締結 遭難救助活動の迅速化に向け前進

なお、今回の「遭難ZERO協定/登山届連携」は長野県、群馬県、神奈川県、岩手県、大阪府、奈良県、熊本県、鳥取県、静岡県に続き、10例目。

全国の山岳遭難は3年ぶりに3,000人を超える

警察庁によると令和3年(2021年)、全国の山岳遭難は3年ぶりに3,000人を超え、3,075人に。これは密集を避けるレジャーとして登山が人気であること、遠出を避け、気軽に近くの低山へ行く人が増えていることなどが考えられるという。

山口県では、2021年に6件の山岳遭難が発生したが、遭難者のうち登山届の提出率は0%であり、捜索の情報収集に時間を要し、遭難救助の対応が遅れることにもつながっていたという。

「面倒」が登山届を提出しない理由

登山者は事前に登山の計画を立てる。さらに、登山口に設置されている登山届ポストで専用の書類に登山計画を記入して提出したり、事前に郵送などで登山計画を山口県警察に提出したりすることが必要で、登山者にとっては二度手間となっていたとのことだ。

また、人があまり行かない低山ではそもそも登山届ポストが設置されていないことや、「低山」だから大丈夫という登山者の気の緩みが登山届提出率が低い理由にもなっているという。

今後もヤマップでは、登山地図GPSアプリYAMAPの機能開発・拡充とともに、山・自然を安全に楽しむための“インフラサービス”を提供していくとしている。

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