学情は、2024年卒学生対象「就職人気企業ランキング」を発表した。

2024年3月卒業予定の大学3年生、大学院1年生8,345名から回答を得ており、トップは5年連続で伊藤忠商事となったとのことだ。5年連続トップは、2001年以降初の快挙となるという。

2位に任天堂、3位に講談社がランクイン。「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム会社と出版社は高い人気を誇っている。電子コミックや動画、ゲームなど、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めたとのことだ。

食品メーカーは安定した人気で、4位の味の素、6位のアサヒ飲料をはじめ、50位以内に10社が入る結果に。また、オリエンタルランドが9位に復活するなど、行動制限の緩和に伴い、レジャー、旅行、航空などの業界の人気が復活していることが分かる結果となった。

24年卒学生対象「就職人気企業ランキング」 1位は5年連続で伊藤忠商事 2位任天堂、3位講談社がランクイン 旅行・航空も復活の兆し

【TOPICS】
(1)トップは5年連続、伊藤忠商事
(2)2位の任天堂、3位の講談社など、「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム会社・出版社は根強い人気を誇る
(3)4位の味の素、6位のアサヒ飲料など、食品は安定した人気。50位以内に10社が入り、業界別最多を記録
(4)行動制限の緩和で、レジャー・旅行・航空の人気が戻る。オリエンタルランドが9位に復活

(1)トップは5年連続の伊藤忠商事

総合ランキングのトップは5年連続で伊藤忠商事がランクイン。5年連続トップは2001年以降で初めての快挙となった。総合商社は資源高や円安がプラスに働き、業績が好調。17位に三菱商事(前年49位)、47位に住友商事(同83位)、91位に三井物産(同98位)と4大商社が軒並み順位を上げたという。

(2)2位の任天堂、3位の講談社など、「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム会社・出版社は根強い人気を誇る

2位は、昨年5位から順位を上げた任天堂がランクイン。過去最高の順位に。携帯型ゲーム機ニンテンドースイッチの世界販売台数1億台突破に加え、「あつまれ どうぶつの森」などソフトの大ヒットも話題となっている。3位は講談社が続く。

ソニーグループ(前年71位)が21位、バンダイナムコエンターテインメント(同50位)が26位に順位を上げた他、出版社は、集英社5位、KADOKAWA12位、小学館14位が上位に名を連ねた。

「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム業界や出版業界は高い人気を誇っており、電子コミックや動画、ゲームなど、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めたという。

(3)4位の味の素、6位のアサヒ飲料など、食品は安定した人気。50位以内に10社が入り、業界別最多を記録

例年人気の食品メーカーは今年も強く、味の素、アサヒ飲料がトップ10にランクイン。

50位以内には、業界別で最多となる10社が入り、2020年調査(2022年卒学生対象)で順位を急伸させたイオングループは、10位に。2020年調査10位、2021年調査9位、2022年調査10位と3年連続で10位以内を維持しているという。行動制限の緩和により飲食店で食事をする機会は増えているものの、「自宅での食事」を支えるスーパーも、引き続き人気を集めていることがうかがえる。

(4)行動制限の緩和で、レジャー・旅行・航空の人気が戻る。オリエンタルランドが9位に復活

オリエンタルランドが、昨年33位から9位にジャンプアップ。コロナ前までは人気業界だった旅行や航空業界に復活の兆しが見えてきたことがわかる。

13位に入ったJTBグループ、49位に入ったANA(全日本空輸)は、コロナ前の調査ではトップ3の常連企業。JTBグループは中止していた新卒総合職採用を2023年卒から再開、ANA(全日本空輸)も2022年卒、2023年卒と大幅に縮小していたが、2024年卒での採用数増に期待がかかっている。

JAL(日本航空)も、昨年152位から順位を上げ77位に。いずれも政府の全国旅行支援などの後押しもあり、業績回復局面にあるという。

■調査概要
・調査期間:2022年4月1日~2022年10月31日
・調査機関:学情
・調査対象:2024年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生
・有効回答数:8,345名
・調査方法:
(1)あさがくナビ登録学生へE-MAILにて告知。Web上の入力フォームによる回収。
(2)同社主催のイベント来場学生へのWeb入力フォームによるアンケート調査及び回収。