弁護士ドットコムは、11月23日の勤労感謝の日に向け、「弁護士ドットコム」の一般会員1053名を対象に、「働くことを考える調査」を実施し、結果を公表した。
同社は、フルタイム正社員として勤続年数を重ね給与が高くなっているにもかかわらず、それに見合った働きをしない「働かないおじさん」問題に注目。「働かないおじさん」は、日本の大企業や公務員の50、60代に多く、男性に偏っていることも特徴とされているという。
■職場に「働かないおじさん(おばさん)がいる」6割
回答者のうち、無職、個人事業主・自営業、学生をのぞいた雇用労働者767人を対象に、職場に「働かないおじさん(おばさん)」がいるかどうかを尋ねたところ、58.7%が「いる」と回答。
「自分がそうだ」という回答も4.2%という結果に。
職場に「いる」と回答した人に自由回答で「働かないおじさん(おばさん)」の実態について尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられたという(抜粋)。
・「いつもパソコンを眺めているだけで、何も仕事をしないくせに仕事を頼むと『何で俺がこんな仕事やらなきゃいけないんだ』と高圧的に騒いで断る。ただ居るだけ」(従業員数1000人以上)
・「仕事がないので定時を待って帰るのだが、罰が悪いのか必ず外線電話がかかってきたふりをして出かけるから帰る。実はこの電話どこにもつながっておらず自作自演」(従業員数1000人以上)
・「過去の成功体験をアップデートせずに、時代遅れのプランを裏付けもなく非論理的に主張してきて、その点を指摘しても強弁するだけの対応しかできない」(従業員数20人未満)
加えて、「自分がそうだ」と回答した人に、自身のキャリアについて思うことを自由回答で尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられたとのことだ(抜粋)。
・「やっても、やらなくても給料は、さほど変わらない。やってるように思わせられれば、給料はもらえる」(40代男性、会社員・会社役員)
・「毎年新たなスキルや資格を習得するよう心掛けているが、習得したスキル等を活かせる部署に配属されたためしがない」(40代男性、公務員・団体職員)
・「年齢によって働くスタイル、働く内容が変わってくる。年齢が高くなれば若い時分のようにはバリバリ働けないが、培った経験則と人脈がありわずかな労力で相当な対価を得ることができると思う」(50代男性、会社員・会社役員)
■2割強が「自分もなる可能性がある」
「自分がそうだ」と回答した32人を除いた雇用労働者735人に対して、なぜ「働かないおじさん(おばさん)」は働かなくなったと思うかを選択式で尋ねたところ、「働いても働かなくても待遇が変わらないから」が64.2%で最多に。
次いで「年功序列で、ある程度の給与やポジションが保証されているから」が51.3%、「職場の雰囲気がゆるいから」が32.7%となった。
また、自身が将来「働かないおじさん(おばさん)」になる可能性があるかどうかを尋ねたところ、22.9%が「ある」と回答。
■「年功序列をやめて、給与に差をつける」求める声が最多
無職、個人事業主・自営業、学生も含めた回答者全体に対して、社会全体で「働かないおじさん(おばさん)」が増えないために何が最も必要だと思うかを尋ねたところ、「年功序列をやめて、給与に差をつける」が30.2%、「解雇をしやすくする」が16.0%、「中高年になってからの学び直しを促進する」が14.1%となった。
■調査概要
調査方法:「弁護士ドットコム」一般会員を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:「弁護士ドットコム」の一般会員1053名
調査期間:2022年10月19日〜25日