資生堂、タンパク質繊維を用いた化粧品原料を開発 機能性と持続可能性を両立し得る「循環型」原料

shiseido

資生堂は、Spiber(スパイバー)が開発した、植物由来のバイオマスを原材料とし、生分解性を有する構造タンパク質「Brewed Protein™️繊維」を基に、製品への活用を見据えた化粧品原料の共同開発を実施したと発表した。

Spiberの原料を配合した化粧品が上市に至るのは、今回が初めて。同素材は、環境へ配慮しながら、しなやかで美しいまつ毛を演出するマスカラファイバーとして資生堂の製品に配合するほか、今後当社の製品開発に広く活用を検討していくとのことだ。

資生堂は、社名の由来でもある「万物資生」の考え方や、独自のR&D理念である「DYNAMIC HARMONY」にもとづいた「Premium/Sustainability」というアプローチで、高い機能性と持続可能性を両立する「循環型」の原料・製品開発を進めているという。

《Brewed Protein™️繊維を基にサステナブルな化粧品原料を共同開発》

Spiberが独自技術によって開発したBrewed Protein™️繊維は、サトウキビやトウモロコシ由来の糖類など植物由来のバイオマスを主原料に、微生物による発酵プロセスで生産される構造タンパク質繊維で、生分解性が確認されている。

これまで衣料品の原材料として多く活用されてきたが、今回、同社の強みであるマテリアルサイエンスや、消費者に寄り添った品質への高いこだわりを活かして、共同で化粧品原料の開発に取り組んだという。

化粧品原料としての安全性、安定性、機能性、使い心地など様々な観点から検討を重ね、Brewed Protein™️繊維の特徴を維持しながら、マスカラへの配合を実現。2021年12月にSpiberは、繊維をはじめとするBrewed Protein™️素材を化粧品原料として活用することが可能になる、INCI名登録を行っているという。

《人にも地球環境にも優しい魅力的な「循環型」のものづくりをめざして》

資生堂は企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現に向けて、資生堂の社名の由来でもある「万物資生」の考え方にもとづき、人、社会、地球環境に対する敬意を示しながら事業活動を進めてきた。

R&D領域においても、高い機能性を追究しながら持続可能性に配慮した容器包装開発や、天然由来や生分解性の高い原料、廃棄部位を活用したアップサイクル原料の開発、原料の元となる植物の栽培など、「循環型」のものづくりに積極的に取り組んでいる。

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