楽天モバイル、低軌道衛星活用「スペースモバイル」プロジェクト実行へ 通信試験・事前検証用の実験試験局予備免許を取得

楽天モバイルは、米AST SpaceMobile(以下、AST)と推進する「SpaceMobile(スペースモバイル)」プロジェクトの実現に向け、実験試験局免許の予備免許を取得したことを発表した。

今後、実験試験局免許の付与を受け次第、日本国内における低軌道衛星を活用したモバイル通信試験および事前検証を実施するとのことだ。

「スペースモバイル」の概要

「スペースモバイル」プロジェクトは、ASTが構築する低軌道人工衛星が宇宙から送信するモバイルブロードバンドネットワークと、現在市販されているスマートフォンとの直接通信の実現を目指す世界初の取り組み。

「スペースモバイル」プロジェクトの実現により、楽天モバイルは、モバイル通信サービスの圏外となっている山岳地帯や離島などにおいても既存のスマートフォンで利用できるモバイル通信サービスの提供、災害時における通信ネットワークの冗長性強化を見込んでいるとのことだ。

2022年9月には、ASTが米国において試験衛星「BlueWalker3(ブルーウォーカー3)」の打ち上げに成功。

また、ASTは2022年11月14日に「BlueWalker3」が、過去最大規模の693平方フィートに及ぶ商用通信アレイを地球軌道に展開することに成功したと発表している。

楽天モバイルは、ASTが打ち上げた試験衛星と日本国内のゲートウェイ地球局間における通信試験や実際の端末を用いた事前検証を行うために、東北総合通信局へゲートウェイ実験試験局免許(携帯基地地球局相当)を、関東総合通信局へ携帯端末実験試験局免許(携帯移動地球局相当)を申請し、このたび両免許の予備免許を取得したという。

実験試験局免許の付与を受け次第、楽天モバイルは、福島県内に設置したゲートウェイ実験試験局の運用を開始し、北海道内山間部において携帯端末と「BlueWalker3」の直接通信を試験・検証していくとのことだ。

【左】試験衛星「BlueWal【右】ゲートウェイ実験試験局

また、楽天シンフォニーは、楽天モバイルや他の通信事業者の衛星通信試験用に「Symworld™」製品群の各種ソフトウェアをASTのシステムへ組み込み、宇宙ベースのモバイルブロードバンドネットワーク実現に貢献。

衛星システムに組み込むソフトウェアは、楽天シンフォニーのvRAN(仮想化無線アクセスネットワーク)ソフトウェア、OSS(運用支援システム)、BSS(ビジネス支援システム)など。

楽天モバイルは今後も、楽天回線エリアの拡大や通信品質の向上に努め、どこでも快適で利便性の高い通信サービスが利用できるよう取り組んでいくとのことだ。

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