ユーグレナは、防衛省が運航する政府専用機2機(ボーイング777-300ER)に、同社が製造・販売する国産SAF(※1)「サステオ」(※2)を給油し、同機が11月12日からの岸田文雄内閣総理大臣の2022ASEAN関連首脳会議、G20バリ・サミット、APEC首脳会議出席にあたり、運航されたことを発表した。

政府専用機にレフューラーからSAF「サステオ」を給油している様子

今回羽田空港にて、主機と副機の2機に合計5KLの「サステオ」が給油されたという。

日本の政府専用機にSAFが使用されるのは今回が初の試みとなる。

今回同社が供給した「サステオ」は、原料に使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂等を使用し、従来の石油系ジェット燃料と混合した環境負荷の低い燃料で、ASTM D7566規格に準拠しているという。

「サステオ」は、燃料の燃焼段階ではCO2を排出するが、使用済みの食用油の原材料である植物とユーグレナはどちらも成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にプラスマイナスゼロとなる、カーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されているとのことだ。

※1 SAFはSustainable Aviation Fuelの略称で、動植物油脂や使用済み食用油等の持続可能な原料により製造された燃料を、従来のジェット燃料に混合したもの。従来のジェット燃料と同等の性質と規格認証されており、CO2排出量の削減効果がある。

※2 同社が製造・販売するバイオ燃料の名称で、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさない持続可能性に優れたバイオマス原料からつくられているという。また、今回供給されるSAFは、同社が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業である「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築、微細藻類基盤技術開発」の採択を受けて製造したものとのこと。