味の素、AIによるパッケージデザイン開発で「マッケンチーズ」の売上は計画比1.5倍に

Ledge.ai
パッケージデザイン開発とマーケティング・リサーチを行う株式会社プラグは10月4日、パッケージデザイン評価サービス「パッケージデザインAI」が、味の素株式会社の新商品「マッケンチーズ」のデザイン開発に導入されたことを発表した。

従来、味の素では、デザイン開発に2か月の期間と数百万円のコストがかかっていたが、今回、パッケージデザインAIを導入したことで、デザイン開発を低コストで短期間に行うことができたという。実際に「マッケンチーズ」のデザイン開発期間は、従来の半分で済んだ。

さらに「マッケンチーズ」の売上は計画比150%(2021年11月〜3月の5か月) と好調で、2022年度は、当初計画の110%、前年比250%の販売を見込んでいるとのこと。

「パッケージデザインAI」 とは

1020万人の消費者調査を学習データに使い、東京大学と共同研究したシステム。消費者がデザインをどのように評価するかをAIが予測する「評価AI」と、デザイン生成と評価を繰り返し行い1時間で1,000のデザイン案を生み出す「生成AI」がある。味の素では「評価AI」が活用された。

「パッケージデザインAI」を用いたデザイン開発

「マッケンチーズ」のデザイン開発の過程において、パッケージデザインAIは2回活用された。1回目でデザイン9案を2案に絞りこみ、デザインの修正の方向性を決定。2回目で修正前の案に比べ、好意度やイメージワードが向上していることを確認し、最終デザインが決定された。

1回目の活用

方向性の異なる9つのデザイン案をAIで評価し、好意度とバラつき、イメージワードの結果を確認。と同時に社内の担当者にアンケートも実施して2案に絞ったという。「マッケンチーズ」はネットショッピング限定の商品であるため、スマホ画面で見ても「おいしさ」と「高級感・上質感」が伝わることを重視。AIの結果を元に、2案をよりおいしさが伝わるシズルに変更したり、高級感が出る背景色を変更するなどのデザイン修正が行われた。

2回目の活用

修正案が修正前のデザインに比べ、好意度やおいしそう、高級感・上質感などのイメージワードのスコアが向上したことを確認し、最終デザインを決定したという。

味の素株式会社 生活者解析・事業創造部 ECグループ 谷田泉氏のコメント

「パッケージデザインAIを活用するメリットは時間短縮とコスト削減、そして、膨大なユーザーデータをベースとした評価と言い切れる点です。コストと時間をかけていたデザインの絞り込みが、瞬時にリーズナブルにできることは、生産性の向上につながります。商品開発期間を短くする新たな取り組みとして、社内でも評価されています。引き続き、新商品のパッケージデザインの絞り込みに使用していきたいです」

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