栄光が運営する進学塾・栄光ゼミナールは、9月17日から10月1日まで、「小中高生の家庭のSDGsに関する意識調査」を実施し、結果を公表した。
■保護者自身は、「SDGs」という言葉を聞いたことがあるか
「SDGs」という言葉を聞いたことがあるかと質問したところ、98.9%が「聞いたことがある」と回答した。
■保護者自身は、「SDGs」についてどの程度知っているか
「SDGs」という言葉を「聞いたことがある」と回答した保護者に、「SDGs」についてどの程度知っているか質問したところ、「詳しい内容までは知らないが、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であることは知っている」と回答した人が50.7%と最多。
また、「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、世界規模の課題に対する目標が分野ごとに分けられており、内容もある程度理解している」と回答した人も44.8%にのぼった。
■保護者自身は、「SDGs」についてどの程度関心があるか
保護者自身は「SDGs」についてどの程度関心があるかを聞いたところ、「とても関心がある」が13.9%、「やや関心がある」が68.5%と、8割以上の保護者がSDGsに関心があることが明らかとなった。
■SDGsの17のゴールの中で、保護者自身の関心が特に高いものはどれか(複数回答方式)
「SDGs」について「とても関心がある」「やや関心がある」と回答した保護者に、「SDGs」で掲げられている17のゴールのうち、特に関心が高いものを聞いたところ、最も保護者の関心が高いゴールは「13.気候変動に具体的な対策を」で、37.8%にのぼった。
また、「4.質の高い教育をみんなに」も3割以上の保護者が関心を持っていることがわかった。
■子どもは、「SDGs」という言葉を知っているか
自身の子どもが「SDGs」という言葉を知っているかを聞いたところ、94.9%の保護者が「知っている」と回答。
保護者自身だけでなく、子どもにも「SDGs」という言葉が浸透していることが明らかとなった。
2021年の調査では、「知っている」と回答した保護者は83.2%で、前年調査よりも10ポイント以上上昇していたとのことだ。
■子どもが「SDGs」を知ったきっかけは何か(複数回答方式)
子どもが「SDGsという言葉を知っている」と回答した保護者に、そのきっかけを聞いたところ、最も多かったのは「SDGsについて学校で学んだ」で、前年調査73.6%から10ポイント以上上昇し、84.9%にのぼった。
また、「SDGsに関するニュースを見たり聞いたりした」ことがきっかけになった小中高生も半数以上であることが分かった。
■これまでに学校でSDGsを取り扱った授業はあったか
子どもが通っている学校で、これまでにSDGsを取り扱った授業があったかを聞いたところ、「授業があった」と回答した保護者は73.3%となった。
前年調査では54.8%と、約20ポイントも増加していることが明らかに。
小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高校では2022年度からそれぞれ実施されている新学習指導要領では、「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されており、教科書でも取り上げられるなど、学校においてSDGsの授業や取り組みの機会が増えていると考えられるという。
■学校でのSDGsを取り扱った授業は、どのような内容の授業か(複数回答方式)
これまでに「学校でSDGsを取り扱った授業があった」もしくは「今年度中に授業がある予定」と回答した保護者に、その授業の内容を聞いたところ、最も多かったのは「学校の先生が指導する授業」で、74.6%となった。
また、「自身で調べてレポートを提出する」形式や「課題について調べ、授業で発表する」形式の授業も3割弱が経験していることがわかった。
■今年の夏休みに学校から出された宿題・課題に、「SDGs」に関連するものはあったか
今年の夏休みの宿題・課題で、「SDGs」に関連するものがあったかを聞いたところ、 21.2%の保護者が「SDGsに関する夏休みの宿題・課題があった」と回答した。
具体的な内容としては、自由研究や調べ学習が多く、そのほか、啓発ポスターや標語の作成、課題作文や読書感想文など、SDGsに関する宿題・課題はさまざまな種類が出されていたようだ。
■中学・高校・大学入試に出題される「SDGs」の問題傾向について、保護者自身はどの程度関心があるか
近年、学校の授業だけでなく中学・高校・大学入試でも、「SDGs」を扱った問題が出題されており、入試での問題傾向について、保護者自身がどの程度関心があるかを聞いたところ、「とても関心がある」が24.9%、「やや関心がある」が61.2%と、関心がある保護者は約85%にのぼることがわかった。
■子どもに、「SDGs」について関心をもってほしいと思うか
保護者に、自身の子どもに対して「SDGs」に関心をもってほしいと思うかを聞いたところ、「とてもそう思う」が37.0%、「ややそう思う」が57.5%だった。
保護者自身の関心度よりも「子どもにSDGsに関心をもってほしい」と考えている保護者が多いことが明らかとなった。
■子どもに「SDGs」に関心をもってほしいと思う理由は何か(複数回答方式)
子どもに「SDGsに関心をもってほしい」と回答した保護者に、その理由を聞いたところ、最も多かったのは、「世界規模の課題について理解をしてほしいから」で、60.9%だった。
そのほかにも、「様々な価値観やバックグラウンドを受け入れられる人になってほしいから」という理由も半数以上にのぼった。
■「SDGs」について、子どもに取り組んでほしいことはあるか(複数回答方式)
「SDGs」について、子どもに取り組んでほしいことがあるかを聞いたところ、「SDGs達成のため、家庭でできることに取り組む」と回答した保護者が最も多く、59.3%だった。
栄光ゼミナールは、身近に取り組めることを、子どもと保護者が一緒に行うことで、SDGs達成に貢献していきたいと考える保護者が多いようだと考察している。
■SDGsに関して、家庭で子どもと一緒に取り組んでいること(自由記述回答)
・学校で習ってとても興味を持っていたので、ペットボトルの再生や節電、電気自動車について家族で話したり、本を読んだりした。(小5保護者)
・夏休みの自由研究で、SDGsカルタを作ったが、家族で考える機会になった。節水・節電などできることから意識させている。(小5保護者)
・保護者がボランティア活動をしているので、貧困家庭や差別など、家庭内で常に話題にしている。ジェンダーレスな友人に囲まれているため子どももよく理解している。(小6保護者)
・SDGsについて学校のスピーチコンテストで登壇することになり、身近な例として「質の高い教育」について学んだ。知識を入れるだけでなく、自分の考えを発表することができた。(小6保護者)
・学校で、グループで調べ学習をして発表をしたことがあり、その時のテーマがフードロスについてだった。それから、食べ残しをしないということを家庭でも繰り返し話しています。(中3保護者)
・一緒に買い物に行った時に、賞味期限が短いものから購入する等、食品ロスを意識した買い物をしている。(高1保護者)
・世界で何が起きているかを知ること自体がSDGsにつながると考えているので、様々なニュースに触れて会話するようにしている。(高2保護者)
・SDGsを過剰に意識していると感じることも多々あるが、それも含めて会話をして、どう生活すべきか価値観を身につけてほしいと思っている。(高2保護者)
・夏休みの課題に取り組む過程で家族それぞれが関心のあるテーマについて話し合ってみました。子どもの関心や考え方を知る良い機会となりました。(高3保護者)
【調査概要】
調査対象:中学1年生~高校3年生の子どもを持つ栄光モニター会員(栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・大学受験ナビオに通塾する保護者)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年9月17日~10月1日
回答者数:273名