INDEX
ソニー・ホンダモビリティ(以下、SHM)は本日、代表取締役会長兼CEO 水野泰秀(みずの やすひで)氏および代表取締役社長兼COO 川西泉(かわにし いずみ)氏による設立発表会見を実施。
以下、会見におけるスピーチの概要を発表した。
●高付加価値型の商品やサービスの提供、顧客との新しい関係の構築にチャレンジすることで、ソフトウェア技術を中心としたMobility Tech Companyを目指す。
●企業パーパス(存在意義)は「多様な知で革新を追求し、人を動かす。」。
●SHM第1弾の商品は2025年前半から先行受注を開始し、同年中に発売。デリバリーは2026年春に北米から。日本では2026年後半からを計画。
●目指す高付加価値EVのコンセプトを3A(Autonomy進化する自律性、Augmentation身体・時空間の拡張、Affinity人との協調、社会との共生)に集約し、3Aを実現する最新のテクノロジーを投入していく。
●車載ソフトウェアからクラウド上のソフトウェアまで一貫した統合的フレームワークを構築し、サービス全体のアーキテクチャを設計していく。
1.ソニー・ホンダモビリティ設立の経緯
・ソニーグループ(以下、ソニー)と本田技研工業(以下、Honda)は、2022年3月4日、モビリティ分野における戦略的提携に向けて基本合意。同年6月16日には「ソニー・ホンダモビリティ」の設立に関する合弁契約を締結。
・高付加価値型のエレクトリック・ビークル(EV)の共同開発・販売と、モビリティ向けサービスの提供を合わせて事業化することで、モビリティ業界における変革をリードしていく点で合意。
2.経営の方向性・存在意義
・ソフトウェアを中心とした新しい技術の投入や、他社とのパートナーシップ構築を積極的に行い、新しいアイデアを採用することで、高付加価値型の商品やサービスの提供、顧客との新しい関係の構築にチャレンジし「Mobility Tech Company」を目指す。
・2社の知見だけでなく、共感・共鳴するカスタマー、パートナー、クリエイターの知を結集し、オープンに参加できる機会や場の醸成に積極的に取り組む。
・企業パーパス(存在意義)は「多様な知で革新を追求し、人を動かす。」。
・知を繋げ、最先端のテクノロジーへの挑戦を行い、人の感性や行動へ働きかけていく、人を動かしていくモビリティの革新を実現していく。
3.顧客との接点、商品投入計画
・商品の販売やアフターサービスのみならず、バリューチェーン全体で顧客との関係を長く深くするための、リアルとデジタルを融合させた新しいサービスを提供。
・商品の所有に関わらない、ブランドに共感していただける仲間が集うコミュニティづくりを目指し、さまざまな産業を支えるパートナーと新たな体験価値創出に向けた協業に取り組んでいく。
・販売はオンライン中心とする予定で、顧客とダイレクトに繋がり続けるネットワークを構築。商品開発プロセスへの参加を呼びかけ、販売後もパーソナライズされた顧客体験を個々に提供し続ける。
・SHM第1弾の商品は、2025年前半から先行受注を開始し、同年中に発売を予定。最初にデリバリーする地域は北米(2026年春)を想定し、その後に日本(2026年後半)を計画。
・生産拠点はHondaの北米工場を予定。
4.モビリティとサービスの方向性、技術的な取り組み
・ソニーとHondaがこれまで個々で検討してきた、モビリティの進化への貢献・リードという考えをベースに、SHMとしての高付加価値型EVのコンセプトを3A(Autonomy進化する自律性、Augmentation身体・時空間の拡張、Affinity人との協調、社会との共生)に集約。
Autonomy「進化する自律性」
-安心安全技術の上に、快適な移動空間を提供。
-特定条件下での自動運転機能、レベル3搭載を目指すと同時に、市街地等、より広い運転条件下での運転支援機能、レベル2+の開発にも取り組む。
-ハードウェアとして合計800TOPS以上の演算性能を持つ高性能SoCを採用予定。
Augmentation「身体・時空間の拡張」
-新しいHMIを提案し、クラウドで提供するサービスと連携することで、ユーザーごとにパーソナライズされた車内環境を実現。ユーザーに運転以外の楽しみを提供する。
-リアルとバーチャルの世界を融合していくことで、移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張。メタバースなどデジタルをフルに活用し、新しいエンタテインメントの可能性も追求。
-HMI/IVIシステムには最新のSoCを2個搭載。また高性能なAD/ADASECUと組み合わせて、従来のECUをハイパフォーマンスな統合ECUに集約していく。
Affinity「人との協調、社会との共生」
-カスタマーだけでなく、自動車産業におけるパートナー、さまざまな産業を支えるパートナー、そしてモビリティにおける新しいエンタテインメントの創出に共にチャレンジするクリエイターと、オープンで自由な環境を作っていく。
・サービスの方向性は、双方向性のあるモビリティ社会と、新しいエンタテインメントの創出。車載ソフトウェアからクラウド上のソフトウェアまで一貫した統合的なフレームワークを用い、モビリティを移動体験サービスと捉え、サービス全体のアーキテクチャを設計していく。
5.新会社の概要
・社名:ソニー・ホンダモビリティ(Sony Honda Mobility Inc.)
・所在地:東京都港区
・資本金:100億円
・出資比率:ソニーグループ50%、本田技研工業50%
・役員構成:
代表取締役会長兼CEO 水野泰秀
代表取締役社長兼COO 川西泉
取締役副社長 山口周吾
取締役専務 岡部宏二郎
取締役(非常勤) 小澤学(本田技研工業)
取締役(非常勤) 堀井直也(ソニーグループ)
・Webサイト:https://www.sony-honda-mobility.com/
ソニー・ホンダモビリティは、多様な知を繋げ、最先端テクノロジーを追求するMobility Tech Companyとして、人の感性や行動へ働きかけていくモビリティの革新を実現していくとのことだ。