いよいよFIFAワールドカップが11月20日から開催される。

試合の展開は予測がつかないが、一つだけ確かなことがあるという。それは、今回のワールドカップは以下の点でこれまでとはまったく違った特別なものになるということ。

まず、これまでのワールドカップとは違って年末の時期に開催されること、もう一つはコロナウィルスのロックダウン収束後に開催される世界的なスポーツイベントとしては2番目のものになるという点であるという。

サッカーファンの興奮は高まるばかりであり、また各ブランドもこの大きなマーケティングチャンスに向けて慌ただしく準備を進めている。マーケターに向け、今注目の5つのマーケティングトレンドを以下に紹介。

トレンド1:より多くのファン、より多くのツイート、よりグローバルな展開

誰の目にも明らかなように、いま世界で「サッカー」はトレンドであるという。前回の女子ワールドカップの成功により、それまでには見られなかった新しいサッカーファン層が形成された。例えばこれまでサッカーは他のスポーツに押されて影が薄かった米国などでもサッカーの人気が定着するように。Twitter上でもサッカーは熱く盛り上がっており、以下に示すように、サッカーに関するツイートや会話の量は以前に比べて劇的に増加しているとのことだ。

Twitterは、サッカーファンが注目の試合やプレー、あるいは審判の判定について情報や意見を共有し、一緒に喜んだり悲しんだりする場となっているという。

そのような舞台で成功できるブランドとは、単にサッカーファンに語りかけるだけでなく、彼らと一体となって会話を展開し、そして彼らの熱いサッカー愛に何らかの形で報いることのできるブランドであるとのことだ。

例えばバドワイザーは前回のワールドカップ期間中に世界で最も多くツイートされたブランドであったが、そればバドワイザーがTwitter上でのファン投票により最も活躍した選手を決める「マン・オブ・ザ・マッチ」のスポンサーを務めていたからだという。

スポンサーブランドのマーケティング担当者は、23カ国以上でのリアルタイムハイライトを、放送事業者が提供するプレミアムコンテンツやファンのライブ会話とキャンペーンやクリエイティブメッセージとをタイムライン上で連携させることができる。そして、サッカーに特化したクリエイティブなメッセージでターゲティングし、サッカーを通してTwitterでのつながりを図ることが可能となるとしている。

トレンド2:  魅力的なブランドプロモーション

長年、ブランドはサッカーへ投資しており、サッカー関連の会話においてよろこんで受け入れられる要素の一つとなっている。いま、人々はこれまでになくサッカーについて盛んにツイートしているだけでなく、ブランドについての会話も非常な盛り上がりを見せている。

このように、あらゆる領域でブランドは時代の空気感を敏感に捉えて的確に反応しており、そして、どのような状況であっても、自分たちらしくあろうとする方法を見出しているという。

具体的には、他のブランドに呼びかけて米国女子サッカーへの投資を推進したり、あるいは男子と女子のサッカーイベントに対するキャンペーン支出を同レベルにすることを目指すなど、ブランドは常にファンの立場に寄り添い続けている。そしてもちろん、今回のワールドカップもその例外ではないとのことだ。

トレンド3:同じ試合でも新しいフォーマットで

ブランドは、ワールドカップのような大規模なイベントを利用したマーケティングにおいては、人々に上質なコンテンツへの独占的なアクセスを提供し、リアルタイム・エンゲージメントを生み出すことがカギとなることを理解しているという。

今年ブランドは、過去から学んだ経験を今回のワールドカップに反映し、Twitter上でのクリエイティブな表現や人々との意味のあるつながりを構築するための以下のような新たなツールを導入予定。

●オーディオ:
Twitterスペースはブランドにとって、大規模なカルチャーイベントやできごとに関連したライブオーディオ体験を介してファンのエンゲージメントを獲得するまったく新しいメディアとなっている。今後ブランドは、イベント開催期間中のスポーツ選手や著名人を起用したオーディオ上でのキャンペーンがさらに増え、ファンに臨場感あふれる体験を提供していくとのことだ。

●コマース:
Twitterライブショッピングは、ブランドが注目度の高い瞬間や状況を捉えたマーケティング活動を行うことを可能にし、エンタテイメントとショッピングを一つの体験に融合したものとなっている。たとえばウォルマートはNFLでの注目の一戦の直前に、NFL伝説の選手をTwitterライブショッピングに登場させ、P&Gのシェービングブランド「Gillet Lab」をプロモーション。
今回のワールドカップでもこれと同様にブランドは、画面の前でサッカーの興奮に浸っているオーディエンスに対して、伝説のサッカー選手を起用したプロモーションをリアルタイムで展開しながらプロダクト・エクスプローラー広告とコレクション広告による製品紹介のようなことが可能になるとのことだ。

●クリエイティブな表現:
今年Twitterは、インタラクティブテキストやブランドいいね(利用者がTwitterのいいねボタンを押した際にカスタムアニメーションを表示する広告機能)などの一連の新しい広告フォーマットを発表した。
これらの多次元的でフレキシブルな広告フォーマットはTwitter上で全画面表示され、広告主はタイムライン上で強力に利用者の興味を惹きつけ、エンゲージメントする効果を期待できるとのことだ。

トレンド4:リアルタイムコンバージョンを狙う新規プレーヤー

言うまでもなく、2018年のワールドカップ以来、世界のビジネスは短期間で急激な変化を遂げたという。Twitter上での広告も、スポーツくじ、仮想通貨、フードデリバリーなどの新しく登場したさまざまな業界と共に成長と続け、それらの事業者はいずれもリアルタイムな会話の展開によるコンバージョンの向上を目指しているとのことだ。

●スポーツくじ:
世界各国でスポーツに対する賭け行為の合法化が進む中、最大規模のスポーツくじブランドはこぞって注目の試合やイベントの開催中およびその前後にTwitter上でファンとの交流を進めている。その理由はデータを見れば明らかであるという。スポーツくじの利用者10人当り7人がTwitterを利用しており、またTwitterからスポーツくじの情報を取得している利用者の33%が、Twitterを利用できなければ賭けをすることは少なくなると思うと回答。
さらに、Twitterを利用しているスポーツくじ利用者の年間の賭け金額は、他のプラットフォームを利用してスポーツくじを行っている利用者に比べて15%高いというデータもあるという。
また、Twitter上で賭けをするスポーツくじ利用者の62%は毎週賭けをすると答えており、他のどのプラットフォームの利用者よりも賭け頻度が高くなっているとのことだ。

●仮想通貨:
#CryptoTwitterは、人々が仮想通貨やNFTについて会話する主要なコミュニティとなっている。仮想通貨利用者とスポーツファンは本質的に重なる部分が大きいため、いま多くの仮想通貨取引アプリやブランドはスポーツ、特にサッカーに対するスポンサー活動に注力しているとのことだ。
年間を通じて開催される大規模なスポーツイベントでの仮想通貨ブランドの存在感は増し、過去1年間で世界でのTwitter上での仮想通貨に関する会話の量は5倍に増加。
今回のワールドカップでも、仮想通貨業界のトッププレーヤーたちはTwitter上でのスポンサー活動を強化し、ワールドカップの興奮に包まれているサッカーファンに向けてさまざまなマーケティングキャンペーンを繰り広げることが予想される。

●フードデリバリー:
テレビ放映される注目のスポーツイベントは、フードデリバリー事業者にとってまさに「稼ぎ時」。ワールドカップを観戦するTwitter利用者は平均的な利用者に比べて食べ物についてツイートする割合が1.7倍高いとのデータもあり、フードデリバリーブランドはこうしたサッカーファンの「旬の」食欲を満たすべくTwitterに集結し、ワールドカップの試合中や直前に、配達サービスの案内や製品プロモーションをリアルタイムで展開すると予想されている。

トレンド5:予算を意識したコンテンツ 

人々の消費意欲がまだ盤石ではない中、ブランドはマーケティング支出の厳しい管理を緩めることはなく、常に最大限のメディア効率でのキャンペーン展開を目指すと予想されている。

今後、どの地域にも馴染みやすいグローバル規模でのマーケティングキャンペーンが増加すると予想されており、具体的には、現地の言語への翻訳を必要としないシンプルでユニバーサルなコンテンツが多く展開されるとのことだ。

一方で、Twitterはコンテンツのローカライゼーションを希望する広告主にサポートを提供しているという。Twitterのコンテンツクリエーションサービスを利用すると、業界標準に比べて広告閲覧率が20%上昇することが明らかになっている。

従来型のアセットのローカライゼーション、新しいショート動画コンテンツの作成、あるいはクリエーターとのコラボレーションによるコストを重視した素早い効果の得られるコンテンツの提供など、Twitterはワールドカップおよびそれ以降も広告主のニーズに優れた効率よくスピーディーに応える取り組みを続けていくとしている。

ブランドが試合に「参加」する方法

上記の5つのトレンドからもわかるように、2022年のワールドカップはファンにとってもブランドにとっても胸躍るイベントとなるのは間違いないという。

Twitterチームは、事業者がイベントの興奮や盛り上がる会話を活かしてマーケティング効果を高めることを手伝うとし、同時に、ワールドカップ期間中、ブランドの安全を守り、マーケティングキャンペーンをぶれさせないためのリアルタイムガイダンスの提供を続けるとのことだ。