旭化成は、同社保有の中国樹脂コンパウンド製造工場(中国江蘇省常熟市)において、最新鋭押出機導入による増設を決定したと発表した。

旭化成、中国での樹脂コンパウンド製造工場にて最新鋭押出機導入による増設を決定

1.背景

同社グループでは、2030年の目指す姿に向けてモビリティ&インダストリアル事業本部における機能材料事業を重点戦略事業と位置付け、特に、今後、市場の大きな伸びが期待できる中国での機能材料事業拡大に注力してきた。

2.概要

同社は、事業拡大を図ってきた中国機能材料市場において、自動車・太陽電池モジュール(PV)等の用途を中心にエンジニアリング樹脂の販売量を順調に伸ばしてきた。

その結果、中国現地コンパウンド生産量が日本コンパウンド生産量を上回る規模へと成長しているという。

また、今後も成長が期待される電気自動車(EV)、第5世代移動通信システム(5G)、コネクタ、環境対応素材等の新規用途市場への拡販活動により、年率10%程度の販売増を見込んでいるとのことだ。

同社は、中国江蘇省常熟市にコンパウンド新工場(旭化成塑料(常熟)有限公司 <APCS>)を建設し、2021年4月より本格稼働しているが、中国市場における機能材料事業の拡大により、2024年度以降生産能力が不足する見通しであるとのことだ。

この状況を踏まえ、今回、2023年10月稼働予定で、生産能力および倉庫保管能力の増強を決定。

また、能力増強のための押出機の選定にあたっては、電気自動車(EV)、第5世代移動通信システム(5G)市場などへの早期参入および拡大を実現するためには、最新の生産技術を用いた設備で、かつ戦略グレードのスムーズな量産体制確立が必要なことから、最新鋭の大型押出機の導入を決定したという。

同社のコンパウンド生産技術開発および量産拠点でもあるコンパウンド生産・技術センターが、同型設備を保有しており、この同センターと旭化成塑料(常熟)有限公司の連携により、同センターからの技術移転、技術支援を通して、新戦略グレードの量産化のスピードアップが図れるとのことだ。

同社は、今後も中国市場における機能材料事業拡大に合わせて旭化成塑料(常熟)有限公司の生産能力と自動倉庫保管能力の増強を続けていくことで、ユーザーへの新たな価値製品の提供を実現するべく、一層の強化を図っていくとしている。