65歳以上の雇用推進、就業に対応している企業は約4割 取り組みは「70歳までの継続雇用制度の導入」が半数以上

総合人材サービスのマンパワーグループは、民間企業の人事担当者400名を対象に「65歳以上のシニア就業状況の調査」を実施し、結果を公表した。

加速する少子高齢化で、労働力の確保が課題となっている中、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮する事を目的とした改正高年齢者雇用安定法が2021年4月に施行されてから約1年半が経過。

マンパワーグループは、65歳以上の労働参加を促進する企業・組織の支援を目的に同調査を実施したとのことだ。

65歳以上のシニア就業の確保:「対応している」は約4割、「対応していない」では約2割

65歳以上の就業確保の対応状況に関しては、全体の約4割にあたる42.8%が「すでに対応している」と回答。

また、「対応を予定している」が15.5%、「対応を検討している」が18.3%と、3割を超える企業がシニアの就業確保に努めていることがわかった。

一方、「対応はしていない」は22.0%で、シニア就業の環境整備に未着手の企業が約2割の結果となった。

65歳以上のシニア就業の確保に向けた取り組み:「70歳までの継続雇用制度の導入」が約6割

65歳以上の就業の確保を進めるための取り組みについては、「70歳までの継続雇用制度の導入」が58.2%で最も多く、全体の約6割を占める結果に。

次いで「70歳までに継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」が25.5%、「70歳までの定年年齢の引き上げ」が24.5%と続き、企業では主に70歳まで雇用を継続する取り組みを実施していることがわかった。

また、「定年制の廃止」は13.7%で約1割超となり、働く年齢に制限を設けない制度の導入は進んでいない様子がうかがえる。

調査の結果、企業・組織において、約4割超が「65歳以上の就業確保」に対応しており、「予定がある・検討している」も含めると全体の約8割弱がシニア雇用を推進していることがわかった。

国の政策として「65歳以上の雇用推進」が掲げられているため、今後は65歳以上の就業機会の確保が努力義務ではなく、義務化されていくことも想定される。

少子高齢化が進む社会環境の中、企業・組織は、今後どのような業務においてシニア層を活用し、どのような受け入れ体制・環境整備を実施していくのかが課題となりそうだと同社はまとめた。

【調査概要】
調査時期:2022年8月3日~8月4日
調査対象:企業の人事担当者を務める20代~50代の男女
有効回答:400名
調査方法:インターネット調査

<参考>
マンパワーグループ『65歳以上のシニア就業状況の調査

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