JR九州グループでビルメンテナンス業などを行うJR九州サービスサポートは、西九州新幹線開業にあわせ、新しい長崎駅をフィールドとし、自律式自動洗浄ロボット導入による省力化やIoT技術を活用した分別ゴミ箱遠隔監視システムの導入による回収業務のCBM化(Condition Based Maintenance)など、将来の清掃業務の在り方についての実証実験を行うと発表した。
■自律式自動洗浄ロボットの導入
今回導入するロボットは、床洗浄、床磨き、拭き掃除の3つを全自動で行うという。
事前に記憶させた清掃エリアを、3Dカメラとレーザー光で距離や形状を測定するセンサーや転落防止・衝突防止センサーにより、ロボット自身が自分の位置を認識、人や壁、障害物などを自動で検知・回避しながらエリア内をもれなく清掃。
また、回収した汚水はロボット内部のフィルターでろ過し再利用して清掃を行うため、少量の水で清掃可能で環境にも優しいロボットとのことだ。
長崎駅には1台のロボットを導入し、1日1.5時間稼働する予定としている。
■分別ゴミ箱遠隔監視システムの導入
ゴミ箱に取り付けたセンサーでゴミの量を測定、一定量を超えると指定されたPCやスマホにアラートメールを発信し、作業者にゴミ回収時期を知らせることで、現行作業ダイヤに基づいて行っているゴミ回収作業のCBM化を図るという。
ゴミの堆積量やピーク時間、回収の回数などを統計化し、さらなるサービス向上と業務効率化につなげ、また内蔵した温度センサーにより防犯・防災対策も強化するとのことだ。
JR九州サービスサポートは、長崎駅での実証実験により清掃品質と業務の効率性の検証を行い、他駅清掃業務への展開、駅ビル等商業施設やオフィス、ホテルなど清掃業務への導入の検討を進め、清掃品質のさらなる向上と新たな清掃業務の在り方を追求していくとしている。