双日と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)は、9月19日、2011年に共同で設立した日豪レアアース(以下、JARE)を通じ、Lynas Rare Earths(以下、ライナス社)が実施する追加探鉱事業に9百万米ドルの出資(以下、同事業)を実行したと発表した。

事業スキーム図

双日とJOGMECは、2011年3月にJAREを通じライナス社へ総額2億5千万米ドル(約200億円)の出融資を実行したとともに、双日はライナス社が生産するレアアース製品の日本市場における独占販売契約を締結しており、磁石を含めたさまざまな用途の需要家にレアアースを安定供給している。

ライナス社から日本へ供給されるレアアースは、電気自動車用や風力発電用のモーターなどの環境に配慮した製品に不可欠な磁石向け原料として需要拡大が見込まれており、日本の製造業界への長期安定供給は極めて重要だという。

JAREとライナス社は、2022年3月31日に、JAREがライナス社の今後の事業展開および日本へのレアアース供給に協力することについてレターアグリーメント(レター形式の契約書)を交わしており、同事業はその協力関係の一環として位置づけられるとのことだ。

JOGMECは、同事業が日本へのレアアース資源の安定供給に寄与すると判断し、今回の出資採択を決定したという。また、資金のみならず、JOGMECが長らくの経験を有する探鉱分野で地質技術者やエンジニアを派遣し、人材面でもサポートを行う予定とのことだ。

双日とJOGMECは、同事業を通じて、ライナス社が中期経営計画「Lynas2025」で掲げている事業計画の早期かつ確実な実現に向けた探鉱活動などを支援するとともに、ライナス社との協力関係の維持・強化と日本市場へのレアアース安定供給に貢献していくとしている。