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ICEYEとSATLANTISがSAR衛星と光学衛星を組み合わせた観測網構築に向けた協業を発表
世界最大規模の小型SAR衛星コンステレーションを展開するICEYEが、小型地球観測衛星の光学装置を開発するスペインのベンチャー企業SATLANTISと共同で、2機の小型SAR衛星と2機の小型光学衛星から構成される地球観測衛星コンステレーション「Tandem4EO」計画を発表しました。
Tandem4EOは、スペインのフミーリャに構えるICEYEの研究開発施設と、同じくスペインのビルバオにあるSATLANTISの本社が、衛星開発の中心になります。両社は今後もスペインにおける事業の投資を進め、現地の宇宙エコシステムの成長を支援していくとのことです。
Tandem4EOは、1m以下の解像度を実現する計4機のコンステレーションです。本コンステレーションは、自然災害や陸海空の環境監視、干渉SAR(地表面の変化を調べる技術的手法)を用いた高精度な地盤変化検出に貢献する予定です。
1/ Flood Alert in #Alaska 🚨
This comparison of recent optical data from #Sentinel and ICEYE SAR satellite data from September 17 shows flooding in Nome, Alaska.#FloodWatch #akwx pic.twitter.com/GQOVYVGRlZ
— ICEYE (@ICEYEfi) September 18, 2022
ICEYEの共同創業者兼CEOであるRafal Modrzewski氏は、今回の発表に関して以下のコメントを出しています。
To achieve robust and fast analysis, combining the strengths of optical and SAR satellites in a single constellation yields incredibly useful insights for stakeholders in Spain and Europe.
(訳:堅牢かつ迅速な衛星データ解析を実現するために、光学衛星とSAR衛星の長所を1つのコンステレーションで実現させることで、スペインおよびヨーロッパにおいて衛星データ利活用に取り組みたい企業に有益な知見を提供するとができます。)
ICEYEは東京海上ホールディングスと資本業務提携を締結しており、SATLANTISはSpace BDと共同プロジェクトを進めているなど、2社とも日本企業と事業連携を進めています。
観測画像が直観的に分かりやすいという特徴を持つ光学衛星と、雲に覆われていたり夜間であったりしても観測可能という特徴を持つSAR衛星という2種類の地球観測衛星により観測網が構築されるTandem4EOの今後の開発に注目です。
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