パーソルP&T、「ワーケーションによる越境体験実証」実施 リフレッシュ機会ではなく現地での交流でキャリア資産が向上

ワーケーション

総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)は、「ワーケーションによる越境体験実証」を実施。

同社が開発・提供するキャリア自律支援ツール「プロテア」によるキャリア資産の定量的な変化を測定し、結果を公開したと発表した。

『プロテア』とは、パーソルP&Tが開発・提供する、社員の本業や複業を通じて得られたキャリアを可視化し、蓄積するキャリア自律支援ツール。

『プロテアのキャリア資産診断』を基にキャリアを形成させる3つの資産項目(生産性資産・活力資産・変身資産)を分析し、各資産の蓄積状況を可視化、越境・副業(複業)による個人の成長を計測するという。

同取り組みでは、パーソルP&Tの都市圏に勤務する社員10名を対象に、プロテアの越境コンテンツパートナーであるあしたの寺子屋とすみかと共に、2022年8月1日~8月4日の4日間、北海道帯広市上士幌町でのワーケーションを実施。

従来の「普段の業務を遠隔で行う」ワーケーションではなく、現地のはたらく人々との対話や学生らとのワークショップを通じて、社員のキャリア自律形成にどう影響を及ぼすのか、その有効性について検証したとのことだ。

越境体験実証について

同実証では既存の組織の枠を超え、新しい環境に身を置き体験し学ぶ『越境体験』によって、個人のキャリア自律形成にどのような変化を及ぼしたかを「プロテア」を活用し測定。

「地域で“未来”の仕事を描く」をテーマに積極的に地域に飛び込んで新たなはたらき方を模索する【PLAN A】と「地域で“今”の仕事をする」をテーマに現業との調和を意識し地域ではたらく【PLAN B】の2つのプランで実証を実施。

ワーケーション参加者が参加前後に「プロテア」の「キャリア資産診断」を受診することで、『越境体験』によるキャリア自律形成の変化を可視化。実証前後の数値を比較すると、多くの項目で数値の上昇がみられたとのことだ。

■実証結果

実証前と比較して10/15項目でポイントが上昇。生産性資産と変身資産が向上した人の割合が多く、特に変身資産はすべての項目で向上実感が高い傾向に。ワーケーションは単なるリフレッシュの機会ではなく、社員の成長や変化への適応に資することが明らかになったという。

実証前後でのキャリア資産の変化

実証前後でのキャリア資産上昇者の割合

【PLAN A】では生産性・活力・変身資産いずれも増加がみられた一方、【PLAN B】では変身資産は大幅な増加がみられたが活力資産は減少する結果に。ワーケーションに越境体験の要素を加えることで、環境変化の刺激が資産変化ではポジティブ/ネガティブそれぞれに発揮されることが判明。

■総括

ワーケーション先での越境体験により成長機会を創出

同実証結果から、ワーケーションを単なるリフレッシュの機会とするだけでなく、越境学習を経験する機会と捉え、ワーケーション先で様々な経験を積むことで、その経験が社員の成長機会に大きな影響を与えることがわかったという。

社員は従来の業務を行いながらも新しい環境に挑戦できることで、はたらき方を見直し、はたらく目的(パーパス)や自身が何者(アイデンティティ)でどんな役割が果たせるのか(アダプタビリティ)など、自身のキャリアを内省する機会となったと考えられるとのことだ。

■今後について

プロテアのワーケーション越境体験プログラムを提供

ワーケーションのような新しいはたらき方に対し、目的や有効性について明確な答えを見いだせていない企業が多い状況であるという。

今回の実証を通じて得らえた知見をもとに、あしたの寺子屋とすみかと連携し、越境による社員の成長を支援する企業向けサービス『ワーケーション越境体験プログラム』を提供していく予定。企業の「人的資本の最大化」に向け『越境体験』の機会提供を拡大していくとしている。

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