博報堂の「博報堂SDGsプロジェクト」は、第三回目となる「生活者のサステナブル購買行動調査2022」を実施し、結果を公表した。

2030年の目標年に向け、SDGs(持続可能な開発目標)達成への取り組みや報道などがここ数年間で活発になっている。

調査結果からは、サステナブルな購買行動や社会行動に積極的に取り組んでいる若年層・シニア層と、意識が低めのミドル層の姿が見えてきたとのことだ。

<調査結果のポイント>

【「SDGs」について「内容を知っている」人は5割、「聞いたことがある」人は8割に】

「SDGs」について「内容を知っている(よく知っている+ある程度知っている)」と答えた人は2021年調査の28.8%から50.5%に、「名前を聞いたことがある」まで含めると55.2%から80.8%に大きく上昇。

「SDGs」認知度時系列比較

また、年代別では10代(16~19歳)が突出して高く、「内容を知っている」と答えた人は74.3%、「名前を聞いたことがある」まで含めると9割超に。

年代別比較

【買い物の際の環境・社会意識度が高いのは60-70代のシニア層。対して最も低いのは30-40代のミドル層】

買い物の際に環境・社会に与える影響をどの程度意識しているか10点満点で聞いたところ、最も高かったのはシニア層で、70代が平均5.84点、60代が5.26点。10代(16~19歳)も平均5.05点と高めだが、「まったく意識していない」割合も高く、環境・社会意識が高い層と低い層で両極化の傾向に。

なお、全年代の中で最も意識が低いのはミドル層で、30代4.74点、40代4.79点となった。

買い物の際に環境・社会に与える影響をどの程度意識しているか(10点満点)

サステナブルな購買行動の実施率が高いのも70代。一方30-40代ミドル層は全般的に低め】

「ミニマル(最小限)」「ロングライフ(長期的)」「サーキュラー(循環)」というサステナブルな購買行動の傾向は、2019年、2021年調査とほぼ変わらない結果となった。

サステナブル購買行動の実施率は70代が全般的に高く、特に「環境や社会に悪い影響を与える商品は買わない」(75.3%)、「環境や社会に悪い影響を与える企業の商品は買わない」(70.4%)などは全体より20pt近く高い。一方で、30-40代のミドル層のサステナブルな購買意識は全般的に低い傾向。

年代別、サステナブルな購買行動の実施率


【社会・環境問題に対し危機感を持つ60-70代。まだ自分ごと化できていない20-30代】

「社会問題や環境問題には市民ひとりひとりが解決に取り組むべきだ」(64.7%)、「いますぐ社会問題や環境問題に取り組まなければ手遅れになると思う」(64.6%)と回答した人は6割を超えに。

この意識は60-70代のシニア層で特に高く、危機感を持ち、社会・環境問題を自分ごとととらえている様子がみられるが、20-30代では、これらの項目は全体より10pt近く低くなった。

社会・環境問題に対する危機感

■調査概要
調査手法:インターネット調査
対象者:16-79歳の男女5,158名(直近2~3か月に食品・飲料・日用品・衣料品などを購入した人)
※分析時は人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。数値はWB後を使用
対象地域:全国
調査時期:2022年3月18日~3月19日
調査機関:株式会社H.M.マーケティングリサーチ

<参考>
博報堂『生活者のサステナブル購買行動調査2022