JR東日本は、東日本大震災で大きな被害を受け、2020年3月に全線開通を果した常磐線復興の第2ステージとして、いわき駅に日本初となるSuicaを活用したスマートホテル「ホテルB4T」を開業すると発表した。
Suica・モバイルSuicaが客室キーになる「Suicaスマートロック」を採用するなど、デジタルネイティブ層に向けてモバイル端末上を含めた快適な顧客体験を提供するとのことだ。
1.「ホテルB4T」開業の目的
(1)地方創生・沿線活性化に向けて「ホテルB4T」は、増加するデジタルネイティブ層のニーズに応えつつ、人手不足の課題を抱える地方において省人化運営を実現することで、多様な地域での滞在拠点を提供し、旅の裾野を拡大。
(2)常磐線いわき駅に1号店を開業1号店は、東日本大震災からの復興の第2ステージに向かう常磐線ネットワークの中核駅であるいわき駅に開業。「ホテルB4Tいわき」は、駅周辺エリアのまちづくりの起点として、沿線活性化に貢献。
2.「ホテルB4T」のコンセプトとサービス
(1)「ホテルB4T」のポジショニングとコンセプト
「ホテルB4T」は、スタッフによるおもてなしを重視するメトロポリタンホテルズ・JR東日本ホテルメッツとはサービスの手法を変えて、手軽でスピーディーなデジタルコミュニケーションを求める利用者に対し、抑揚ある滞在体験を手ごろな価格で提供する。
(2)実現する顧客体験
予約からチェックイン、チェックアウトまでの手続きが、手持ちのSuicaとスマートフォンで完結。滞在中の困り事は、スマートフォンよりオンラインチャット、ビデオ通話にてスタッフがサポート。
(3)新たなテクノロジー
①日本初SuicaスマートロックJR東日本メカトロニクスと、アートが共同で運営する「Suicaスマートロック」は、手持ちのSuicaが入退室の鍵として利用できるサービス。JR東日本グループなどのオフィスや商業施設などで導入実績があるが、ホテルの客室キーとして利用できるのは日本初だとしている。
②新たなホテル管理システムの拡張性
SQUEEZEによるホテル管理システム「suitebook」を採用することで、さまざまな外部サービスとのオンライン上の迅速な連携が可能となる。JR東日本が推進するJRE POINTや個室ブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」などと連携。
「ホテルB4T」は、今後も、訪日外国人を含む旅行者に多様な地域での滞在拠点を提供することで、地方創生や沿線活性化に貢献するとしている。
なお、JR東日本は今後、具体的な開業件名さまざま施設規模や立地条件に対応するホテル運営のプロトタイプとして、「ホテルB4T赤羽」および「ホテルB4T田端」を2023年春に開業するとのことだ。