スズキは、インド政府関係機関のNational Dairy Development Board(全国酪農開発機構、以下、NDDB)と、インドのカーボンニュートラルの実現を後押しするバイオガス実証事業を実施することで合意、覚書を締結したと発表した。
スズキとNDDBは、合弁会社の設立も視野に、将来のバイオガス事業化に向けた取り組みとその普及可能性の実証を行うとのことだ。
インドには牛が多く、CO2の28倍の温室効果を持つメタンが含まれた牛の糞尿は大気中に放出されている。メタンは大気放出されるが、糞尿を回収し、バイオガスを人為的に発生させ自動車用燃料を精製して利用することで、メタンの大気中放出を抑制することができるという。この燃料は大気中のCO2を原料としているため、カーボンニュートラル燃料となる。
また、バイオガス発生後の残渣は有機肥料として利用できるため、インド政府の有機肥料促進政策に貢献できるという。
スズキは、同取り組みをインド全土に展開することで、メタンの大気放出抑制やカーボンニュートラル燃料の普及だけでなく、農村地域の活性化や新たな雇用の創出、廃棄物の資源化、エネルギー自給率の向上、循環型社会の形成などにも貢献できると考えているとのことだ。