ナビタイムジャパンの交通データ事業は、2022年8月5日~6日まで、東北・北陸地方を中心に発生した大雨に伴う自動車の交通影響調査を発表した。

今回の大雨で特に8月5日頃から北陸自動車道(以下、北陸道)の 敦賀IC(福井県敦賀市)~今庄IC(同県南越前町)の敦賀トンネル付近において、土石流による大規模な土砂流入が発生し、これに伴い同区間の上下線で通行止めが発生。

上り線(米原方面)は8月10日の0時に、下り線(金沢方面)は8月27日の6時に通行止めが解除されたという。

上記により、並行する国道8号や国道476号に迂回する車両が増加したが、これらの道路も大雨に伴う通行止めや通行規制により、一時的に道路混雑が発生したとのことだ。

同分析では、北陸道に並行する国道に着目し、北陸道の通行止めが発生した8月6日を起点とし、平常時の9時~21時と下記の3時点の交通状況を対象に、自動車の走行経路変化や混雑状況を分析。

なお、分析にはナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』他)から取得した走行実績データを活用しているとのことだ。

■分析対象時点
①7月31日 :平常時
②8月7日 :国道8号通行止め時
③8月14日 :国道8号片側通行規制時
④8月21日 :国道8号全面通行可(北陸道下り線通行止め時)

図1 分布エリア位置

■分析結果

【走行経路の変化】
●敦賀IC手前を走行する自動車の約75%が国道8号に転換

北陸道敦賀IC手前(米原側)を通過する自動車の走行経路を可視化すると、平常時はほぼ100%が北陸道を金沢方面に走行していることがわかるという。

一方、8月7日は、金沢方面に向かう全道路が通行止めになったことにより、いずれの経路も通行できていないことがわかる。8月10日に国道8号の通行止めが解除されたことにより、金沢方面へ走行する自動車は、8月14日は敦賀ICで一般道に降りた約75%が国道8号で金沢方面へ走行していることがわかる。8月21は敦賀ICで一般道に降り、国道8号と国道476号の選択割合は約50%ずつとなっていることがわかるとのことだ。

図2 敦賀IC付近を走行する自動車の経路変化

【走行速度の変化】
●国道8号が一時的に混雑

北陸道に並行する国道8号の平常時・片側通行規制時・規制解除後の平均走行速度を可視化。平常時と片側通行規制時の速度を比較すると、敦賀IC付近から通行規制区間である南越前町大谷方面への下りで約25~50km/h超速度が低下していることがわかった。

このことから、国道8号の片側通行規制により、平常時よりも混雑度が高まっていることが推察されます。なお、解除後の走行速度は平常時と同傾向であることがわかったとしている。

図3 国道8号の平均走行速度の変化

【所要時間の変化】
●国道8号が一時的に混雑

北陸道に並行する国道8号線敦賀IC付近から武生IC付近までの下りおよそ35.8km区間(図4青色の経路)で平常時・片側通行規制時・規制解除後の所要時間の変化を整理。

図4 対象区間
図5 国道8号の平均所要時間