ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、ファッションブランドの在庫リスクゼロを目指す、生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO（メイドバイゾゾ）」による受注販売を9月1日よりZOZOTOWNにて開始すると発表した。
第一弾として、同日よりユナイテッドアローズの商品の販売を開始。今後、TSI、シップスなど各社の商品も順次販売開始予定であるとのことだ。
背景
環境省によると、国内におけるアパレル供給量は年々増加する一方で市場規模は縮小傾向にあることなどから大量生産・大量廃棄の拡大傾向が懸念されるほか、常に余剰在庫を抱えるビジネスモデルへの課題が指摘されているという。
ZOZOは、年間購入者数1,061万人を超えるZOZOTOWNが持つ膨大なファッション関連データや、プライベートブランド事業のノウハウを活用した「マルチサイズ」などのサービス、D2C事業等を通じて培った生産に関わる知見やノウハウを有している。
それらを活用し、これまでファッションECとして担ってきた「販売」に加え、さらに上流の「生産」の支援に踏み込むことでファッション業界の課題解決に貢献したいと考え、今回「Made by ZOZO」を始動したとのことだ。
「Made by ZOZO」の特長
「Made by ZOZO」では、同社が所有するデータやノウハウに基づきブランドに商品企画を提案するという。
また、これまで手作業でおこなっていた工場での作業をデジタル化し、複数の異なるデザインの商品を同時並行で生産可能にする同社独自のシステムを開発することで、最低1着から生産をおこない、商品を受注してから最短10日で発送するとのことだ。
これまでは、季節ごとに一定量をまとめて生産する方法が一般的であったが、「Made by ZOZO」ではZOZOTOWN上で商品を受注した後に生産工程に入るため、ブランドは在庫リスクゼロ、すなわち過剰在庫による売れ残りリスクゼロで販売でき、商品のバリエーションを豊富に揃えることが可能となるとしている。
また、ブランドのご要望に応じて「Made by ZOZO」を通じて得たデータを活用して、ブランド実店舗や自社ECなど、ZOZOTOWN以外の販売チャネル向けに適正な生産量を提案するなど、ブランドの自社内における在庫リスク低減も併せてサポートするとのことだ。
ZOZOTOWNを訪れるユーザーにとっては、目当ての商品の完売による買い逃しがなくなるほか、受注生産商品を購入の選択肢の一つとして選ぶことで、サステナブルファッションを日常生活に気軽に取り入れることができるという。
「Made by ZOZO」による受注販売開始
9月1日よりZOZOTOWN上で、「Made by ZOZO」を通じたinfo.BEAUTY&YOUTHの商品の受注販売を開始。今後は、nano･universe、SHIPSなど計50型以上の受注販売を順次開始し、対応ブランドや型数は拡大予定であるとのことだ。
ZOZOTOWNの基本戦略と今後の展望
同社は、経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH 〜 ワクワクできる『似合う』を届ける ～」を推進する戦略の3本柱のひとつとして「生産支援に踏み込む」を掲げているという。
「Made by ZOZO」の取り組みに共感できるブランドをはじめとするユーザーとともに、テクノロジーの力でファッション業界の仕組みをサステナブルなものにアップデートするために取り組んでいくとしている。
＜「Made by ZOZO」の仕組み＞
受注生産商品がユーザーのもとに届くまで
1．ZOZOTOWN上で受注販売、ユーザーから注文を受付
2．受注後「Made by ZOZO」へデータ連携
3．最低1着のロットで工場へ発注
4．工場にて生産
5．注文から最短10日で、物流拠点からユーザーのもとへ発送
＜参加ファッションブランドのメリット＞
・在庫リスクゼロ
・ZOZOならではの膨大なファッション関連データやノウハウに基づいた商品企画提案
・ファッションをサステナブルな仕組みにアップデートする取り組みへの参加