最大5万人分の登録データから個人を瞬間特定 「顔認証勤怠システム」、SGシステムらが共同開発 物流センター214か所に導入

SGシステム、シャープマーケティングジャパンおよびデータスコープは、SGフィルダーの協力のもと「顔認証勤怠システム」を共同で開発したと発表した。

顔認証勤怠システム

「顔認証勤怠システム」は、顔認証検温システムと勤怠管理システムを融合したソリューション。企業が利用中の勤怠基幹システムとの連携を実現し、勤怠および検温データ管理業務の効率化に貢献するとしている。

同システムは、高速かつ高精度な顔認証と検温機能を搭載。最大5万人分の登録データからすばやく個人を特定し、検温データとともにプライベートクラウド上の勤怠基幹システムに記録できるうえ、複数拠点の情報を一元管理することも可能だという。

また、新開発の顔認証エンジンにより、顔のよく似た双子を高い精度で識別できるほか、同一人物の二重登録を抑制する「なりすまし防止」機能も搭載。さらにディスプレイ横に「出勤」「退勤」など、5つの専用ボタンを装備しており、利用者は直感的な操作で簡単に打刻することが可能とのことだ。

SGフィルダーは、佐川急便を中核とするSGホールディングスグループの一員で、物流や製造分野を中心に各種人材サービスを展開している。

同システムは、SGホールディングスグループのIT統括会社であるSGシステムが、SGフィルダーにおけるスタッフの勤怠管理状況や課題を綿密に調査、ヒアリングし、シャープマーケティングジャパンおよびデータスコープと連携して共同開発。

今般、SGフィルダーが庫内運営を請負う佐川急便などの物流センター214か所に、計310台の顔認証端末を設置し、計約2万人のスタッフを対象に、8月上旬に本稼働を開始している。

これまでSGフィルダーは、静脈認証方式による勤怠打刻を実施しており、新規スタッフ入職時に行う生体登録にかかる手間や出退勤のラッシュ時の混雑が課題となっていたという。

同システム導入後は、一人あたりの生体情報登録にかかる時間を約1/10、打刻にかかる時間を約1/2に短縮。さらに、これまで紙で管理していた検温データも顔認証勤怠システム上で確認できるようになり、事業場における勤怠管理業務の大幅な効率化に貢献しているとのことだ。

SGフィルダーは、今回のシステム導入を通してSGホールディングスグループで培ったノウハウを生かし、物流業をはじめとした利用者の人材面の課題解決に貢献していくとし、SGシステムは、SGホールディングスグループで培ったIT・デジタル技術を活用した業務改革のノウハウを生かし、物流業をはじめとした利用者の業務効率化に貢献していくという。

シャープマーケティングジャパンとデータスコープは、連携して物流拠点や工場、オフィスなどに同システムを広く提案し、企業における勤怠管理システムの効率化に貢献していくとのことだ。

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