記録的な猛暑が続く昨今の夏。熱中症患者が後を絶たない。特に今年の6月下旬は全国的に連日気温が高く、東日本日本海側と西日本太平洋側の日照時間はかなり長く、西日本太平洋側の降水量はかなり少なくなった。そして、梅雨明けのタイミングでの急な暑さによる熱中症搬送者数が急増。消防庁によれば、6月の熱中症による救急搬送者数は15,969人、昨年の4,945人に比べて3倍以上となった。(2022年7月27日時点)
さらに、発生場所の最多は「住居」だという。「屋内での熱中症」と聞くとなかなかイメージが湧きづらいが、冷房をつけないことでの「室温や湿度の高さ」といった環境的な要因はもちろん「水分補給できない状況」でも熱中症を引き起こす危険性がある。
そんな中「実は室内だからこそ水分補給を忘れがちになっている」と話すのは、「飲むコンディションメイク」をコンセプトに熱中症の啓発活動に取り組む『アクエリアス』を販売する日本コカ・コーラ株式会社だ。今回は同社の取り組みとともに、この夏をどう乗り越えていくべきなのか、そのヒントを探っていく。
増加する熱中症。運動や外出だけじゃない、仕事中の危険も
日本コカ・コーラも参画する一般財団法人 日本気象協会推進の『「熱中症ゼロへ」プロジェクト(通称:熱ゼロプロジェクト)』担当者によると、下記のような条件では熱中症を引き起こす可能性が高まるという。
①環境条件:気温が高い、湿度が高い、日差しが強いなど
②体の条件:乳幼児や高齢者、暑さに慣れていない、体調不良など
③行動条件:長時間の屋外作業、水分補給できない状況など
これらの条件下では、体の熱が放出されにくくなることから熱中症リスクが高まるそうだ。室内においても「閉め切った部屋」「風通しが悪い場所」などの条件も同様だという。
東京消防庁が発表した令和3年の「発生場所別の熱中症による救急搬送人員」によると、19歳~64歳の熱中症の発生場所は、道路・交通施設が32.7%と最も多く、続いて住宅等居住場所が26.1%、工事現場・工場等12.3%と続いている。今年度の総務省消防庁による全国の熱中症速報値(6月27日から7月3日まで)でも「熱中症の発生場所」には道路工事現場・工場・作業所等の「仕事場」が3番目に多い。
熱ゼロプロジェクト担当者は「ビジネスパーソンの移動中や在宅での仕事中などにも熱中症の危険はあると考えられるので、気温が高い日や暑さに慣れていない、寝不足の日などは特に注意するようにしてください」と見解を示した。また、熱中症を引き起こす条件に当てはまる場合、特に意識すべきは「水分補給」だという。1日に失われてしまう水分量は、約2.5ℓ。言い換えると約2.5ℓの水分が必要だ。さらに、たくさん汗をかく場合は「水分だけでなく塩分も補給することも意識してください」と話す。
働く人にも水分補給を。熱中症対策としてのアクエリアス
私たちビジネスパーソンも他人事ではない熱中症。しかし、『アクエリアス』は、「職種によって他者の目を気にして水分補給がなかなかできない、という声も少なからずあるはず」という。
スポーツ飲料水のイメージが強い『アクエリアス』だが、実は2015年から「熱中症対策飲料」として銘打っているのをご存じだろうか。熱中症が社会問題になってきた2012年、一般社団法人全国清涼飲料連合会によって「熱中症対策」表示ガイドラインが制定。
ただ水分を摂取するだけでなく「水分と共にナトリウムを摂取すると熱中症対策ができる」と記載があったことから、『アクエリアス』はガイドラインで定められたナトリウム量を参考に処方を検討し始め、2015年に処方変更している。以降、“熱中症対策飲料”というイメージを含め、“日常的に飲む飲料”というイメージに変えていくため啓発活動を続けている。
そんな活動の中で、さまざまなライフスタイル・ライフステージに合わせて取り組みを実施してきた同社。2022年度から、前向きな若者世代やアクティブなミドルエイジを含めた「働く人」の水分補給をテーマに取り組みを行っている。
例えば、現在放送中のTV CMでは俳優・広瀬アリスが働く女性を演じ、暑い中で『アクエリアス』を飲むことで、カラダだけでなくココロや気持ちも前向きにしてくれることで「仕事を頑張ろう!」と活力を得ていくストーリーだ。ほかにもYouTube広告では、仕事中も水分補給が重要であるというメッセージを発信している。
さらに、8月2日には東京・渋谷区の渋谷ロフト(西武渋谷店ロフト館)で働くスタッフの方に『アクエリアス』480本を贈呈するプロジェクトを実施した。熱中症発生場所の約4割が屋内であることから、接客業や事務業を行っている多くの従業員をサポートすべく、「熱中症ゼロへ」プロジェクト協力のもと渋谷・ロフトで働く人たちへ水分補給サポートとして製品提供を行った。
アクエリアスの提供にあたり、日本コカ・コーラ スポーツ事業部 河野友奈氏は「渋谷ロフトで働いている皆さんをアクエリアスでサポートできることをうれしく思います」と語る。
「店頭に立つ方、屋外で作業をされる方、事務職の方など働き方は様々ですが、仕事に集中していると水分補給を忘れがちです。働く方だけでなく、全ての人に屋内外での啓発を今後も続けていきたいと強く感じました」
生活者の声に寄り添い、時代とともに変化するブランドへ
世の中には水分補給をする上で数多くの飲料が存在する。その中で『アクエリアス』の付加価値をどのように考えているか伺ったところ、「ナトリウムと適度な糖分を含み、飲みやすい味である」と語ってくれた。この“飲みやすい味”を続けていくための取り組みの一つが、「定期的な消費者調査」だという。
「『アクエリアス』は時代やお客様の嗜好に合わせて、定期的に味の処方変更を行っています。例えば、熱中症対策飲料に変更していく際、ナトリウム量を大きく変更したのですが、塩の分量は味に大きな影響を与えます。そのためほかの成分量でバランスを取らなければならず、とても大きな苦労がありました。
ありがたいことに『アクエリアス』はロングセラーブランドですので、すでに飲んでくださっているお客様が多くいらっしゃいます。その方たちの声を吸い上げ、満足し続けてもらえるよう、より美味しいと感じてもらえるよう、今後も変更を繰り返していきます」
また、誰もが知っているスタンダードな『アクエリアス』以外にも、「ゼロカロリー」「乳酸菌ウォーター」など様々な商品が販売されている。例えば、「1日分のマルチビタミン」ではレモン50個分のビタミンC、1日分のビタミンB群、ミネラル・クエン酸が配合されるなどビタミンとミネラルを一緒に摂取可能だ。またこうした配合の違いだけでなく、多くの人が手に取りやすいように味の工夫が施されている。
「水分と共に1日分のビタミンが摂取できるのはもちろん、レモン風味の味でサッパリと飲むことができます。ジュースとは異なり、ある程度ぬるくなっても美味しく飲める、朝から晩まで飲んでいても飽きない味になっているのがポイントです」
今年度から「カラダよ、整え。ココロを連れてゆけ。」というキーメッセージを掲げている『アクエリアス』。河野氏は「仕事中や日常の水分補給に『アクエリアス』を手に取っていただき、水分補給をしてもらうことで、カラダだけでなくココロや気持ちも前向きになり、一歩先に踏み出すサポートをする商品であることを伝えていきたい」と話す。最後に、ビジネスパーソンに向けた取り組みについて、今後の展望を語ってくれた。
「まだまだ暑い日が続きますので、働く人を含めた多くの人たちに向けて水分補給による熱中症対策のサポートをしていくこと。また、汗をかかない秋冬は乾燥による水分不足を解消し、水分補給によって健康力をサポートしていくことを、積極的にコミュニケーションしていきたいと思っております」