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Works Human Intelligence(以下、WHI)は、従業員が自らキャリアを考え、実現し、自発的に市場価値を高めて成長することを目的に、2022年7月よりキャリア自律支援の統合的なしくみを刷新し、運用を開始したことを発表した。
背景と狙い
政府方針でも注目される、個人の成長に重要な「キャリア自律」
近年、働く人の自律的なキャリア形成の必要性が注目されている。2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)では、変化が激しく、労働人口の減少に直面する現代において、価値創造の原動力である「人への投資」が不可欠であり、多様な人材が潜在力を発揮できるよう、能力開発を行って自ら仕事を選択し、多様な働き方ができる環境整備を進めるとしているという。
WHIは社会の「『はたらく』を楽しくする」というMissionを掲げ、その実現のために社員が最も「はたらく」を楽しむことを目指しているが、「はたらく」を楽しむためには社員の主体的なキャリア形成が必要だと考えているとのことだ。
実際に、キャリア自律の高い従業員はワークエンゲージメントや学習意欲、仕事充実感が高いことがわかっている。
キャリア自律の支援に不可欠な「しくみ作り」
キャリア自律を高めていくためには、主体的なキャリア選択を可能にするスキル・経験を蓄積して社員が成長することと、会社がキャリア選択の機会を提供し、社員の成長を支えるしくみが不可欠であるという。
WHIはこれまで自律的なキャリア形成をサポートする施策を展開してきたが、今回社員一人ひとりが持続的に成長サイクルを回せる状態を作ることを目的に、個々の施策を統合し、挙手による昇格システムを含むキャリア自律支援の統合的なしくみの整備を実施。
しくみ作りの全体像
<WHIのキャリア自律支援サイクル>
自律的なキャリアの形成には、社内公募による異動の機会や研修による学びの機会といった「機会提供」に留まらず、社員が自身のキャリアのために自発的に機会を活用できるようにする「しくみ」を提供することが重要であるという。
WHIはそのしくみとして、「計画・実行・評価」の3フェーズから成る半年間の施策サイクルを定義。まずはキャリア自律の必要性や方法を学んだ上で、期初に自身のキャリア志向を考える面談を実施するという。
目標の実現に向けた経験やスキルアップを経て、社内公募による異動や、手挙げによる昇格にチャレンジ。期末に振り返りを行う。このサイクルを持続的に回し続けることにより、社員一人ひとりが自律的キャリアを形成し、成長し続けるサポートを行うとしている。
施策の詳細
WHIのキャリア自律施策サイクルは、主に以下の施策によって構成されている。
【計画・評価フェーズ】
キャリアモデル定義書 ※7月から刷新
WHIの各職種・各グレードで求められるスキルや経験を詳細に定義。これによって昇格や異動の判断基準を明確化。また現在の自身の立ち位置を確認し、今後必要なスキルや経験を具体的に把握できるようにすることで、地に足の着いたキャリア目標の設定を促すとしている。
Career Discovery Sheet, Career Interview
WHIが提供する統合人事システム「COMPANY」上で全社員に配布される「Career Discovery Sheet」に、自身のキャリアにおける目標や大切にしている価値観、これまでの振り返り等を記入。
半期に一度、上司やメンターとの「Career Interview」を行い、社員自らがキャリアの課題感や目指したい姿を自分の言葉で語ることで、目標や解決策を明確にするとのことだ。
上司は「Career Interview」を通して部下のキャリア志向を理解し、その実現に向けて業務やプロジェクトアサイン等の判断に反映するという。
【実行フェーズ】
キャリアの選択機会1) Career Ownership(社内公募)
年に一度、社内公募によって部門間異動をオープンに実施。「Career Discovery Sheet」で明確になったキャリア目標を叶える、異動へのチャレンジ機会を提供するという。
キャリアの選択機会2) 手挙げによる昇格 ※7月から刷新
一定以上のグレードの社員において、会社による判断ではなく本人の「手挙げ」によって昇格審査の対象を決定。これにより挑戦意欲の高い人材に昇格へチャレンジする機会を与え、「自分の意志でキャリアを選択し、成長する」という意識を強化するとのことだ。
キャリア実現に向けた学習機会 ※7月から刷新
社員一人ひとりの多様なキャリア目標に合わせて学べるよう、社内の研修に加えて「GLOBIS 学び放題」や「Udemy Business」等を活用し、全社員に対して幅広い学習コンテンツの提供を開始。
さらに、各職種のスペシャリストが厳選するコンテンツをまとめた「ラーニングパス」を提供することで、何を学べばよいかわからないという状態を防ぎ、継続したスキルアップを支援するという。
WHIは今後も社員が成長する環境作りを推進し、同社社員、ひいてはすべてのビジネスパーソンが真価を発揮し「はたらく」を楽しむ社会の実現を目指していくとしている。