野村不動産、港区高輪の築42年分譲マンション跡地にオフィスビルを開発 2024年度に竣工予定

野村不動産は、東京都港区の「高輪交陽ハイツ」において、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下、円滑化法)により2022年7月、野村不動産が買受人となりオフィスビルを開発することを発表した。

同社のオフィスビルシリーズ「PMO 高輪(仮称)」として2024年度に竣工予定とのことだ。

高輪交陽ハイツ

マンション敷地売却制度は、耐震性不足マンションの建替えなどを促進するために平成26年に円滑化法が改正され、マンションおよびその敷地を売却するため特例として新設されている。

南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大地震の発生に備え、生命・身体保護の観点から、耐震性不足マンションの対策が喫緊の社会課題に。また、時代の経過とともに周辺環境が変化し、現在の建物用途が必ずしも最適とは言えないケースも増加しているという。

野村不動産は、老朽化したマンションを新たなマンションに建替えるという手法だけでなく、敷地売却制度を活用し周辺環境の変化に適応した用途へと変更する開発事業にも取り組み、高経年マンションという社会課題の解決とともに、都市・まちの機能更新に貢献していくとしている。

■同事業の経緯

高輪交陽ハイツは、1980年に竣工された分譲住宅で、2013年に実施した耐震診断の結果、耐震強度不足が判明し、また設備配管の劣化等建物の老朽化問題を抱えていたとし、2016年より高輪交陽ハイツ管理組合にて建替えを含む再生の検討が開始。

同社は、2019年8月、事業協力者として参画し、4つの手法((1)建替え(2)マンション用地としての敷地売却(3)複合建物用地としての敷地売却(4)オフィス用地としての敷地売却)による再生方針を検討・協議をかさねてきたとしている。

当該立地についてはJR高輪ゲートウェイ駅の開業や品川駅周辺再開発プロジェクト着工などオフィス立地として適した環境であることから、2019年12月にオフィス用地として敷地売却を推進することが決議されたという。

同社は、社会的な課題・重要性に鑑み、これまで培ってきた様々なノウハウをもとに、権利者·コンサルタント·設計事務所などの事業関係者と協力しながら、今後もマンション建替え事業を積極的に推進していくとのことだ。

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