楽天グループは、取締役会において、連結子会社である楽天カードが同連結子会社である楽天証券および楽天投信投資顧問の全株式を同社に現物配当等を行った後、楽天証券および楽天投信投資顧問が共同株式移転の方法により同社の完全子会社として楽天証券ホールディングス(以下、楽天証券HD)を設立し、楽天証券等の親会社を本年10月3日付で同社から楽天証券HDに変更すること、楽天証券HDが株式上場の準備を行うことについて各決議したと発表した。

背景等

同社連結子会社の楽天証券は、2022年5月24日付開示「楽天証券の株式上場準備の開始に関するお知らせ」において公表したとおり、より自律的な経営視点による成長戦略の遂行、独自の資金調達を含めた様々な成長および財務戦略実行等を可能とするため、現在上場の準備を進めている。

楽天証券は、フィンテックカンパニー内におけるシナジーを発現しながら、順調に顧客基盤を拡大させ、本年6月には口座数が800万を突破するなど、我が国最大規模の顧客口座数を誇るインターネット証券会社に成長、預り資産も順調に拡大している。

また、同社連結子会社であり、投資信託の組成・運用を担う楽天投信投資顧問および暗号資産取引サービスを担う楽天ウォレットにおいても、同社グループが提供する証券関連事業の業容拡大に大きく貢献しており、3社は引き続き、同社グループがフィンテック事業を展開するうえで、同社の重要な連結子会社であることを前提に、証券事業における一層の顧客基盤および業績の拡大を目指すとのことだ。

3社がこれまで以上に顧客獲得を中心に、「楽天エコシステム」にとどまらない、あらゆる分野での多様な成長を遂げることが、「楽天エコシステム」の拡大に資すると考え、楽天証券、楽天投信投資顧問および楽天ウォレットを、同社直下に新設する楽天証券HDの連結子会社とする今次の再編の実施を決定したとしている。

同5月24日付開示においては、楽天証券が上場準備の開始をする旨を発表していたが、上述の組織再編に伴い、楽天証券HDが上場申請を行う会社となるという。

なお、楽天証券HDの株式上場、上記内容を含む関連行為等に関しては、関係当局の承認等が前提になる場合があることに加え、準備過程における検討の結果次第では、同社グループの更なる組織再編が必要になる場合や株式上場しないという結論に至る可能性もあるとのことだ。

そのため、現時点では上場予定時期等は未定となっているが、進展状況を踏まえ、必要に応じて、適宜開示を行っていくとしている。

当該組織再編の要旨

楽天カードが効力発生日を本年10月1日(予定)として同社に楽天証券および楽天投信投資顧問の全株式を現物配当した後、効力発生日を本年10月3日(予定)として楽天証券および楽天投信投資顧問が共同株式移転の方法により楽天証券HDの設立を行うほか、楽天証券が楽天証券HDに楽天ウォレットの全株式を現物配当することで再編を実施するという。

新設会社である楽天証券HDに関する詳細は、必要に応じて適宜開示を行っていくとし、同件はグループ内の組織再編であるため、同社連結業績に与える影響は軽微であるとのことだ。